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海外テニス

「一番は良い絆ができていること」選手とコーチが良い関係を築ける要因を、トップへ押し上げた名指導者たちが明かす

東真奈美

2020.12.23

元ATP9位のニコラス・マスー氏は、昨年からティームのコーチとなり、今年の全米優勝へと導いた。(C)Getty Images

元ATP9位のニコラス・マスー氏は、昨年からティームのコーチとなり、今年の全米優勝へと導いた。(C)Getty Images

 チリ出身の41歳ニコラス・マスー氏も、元ATP9位で、オリンピックで単複の金メダルを獲得している。昨年からオーストリアのドミニク・ティームのコーチとなった。

 マスー氏は、「個人的にもプロとしても、お互いのことをよく理解していると思います。ドミニクと一緒に始めてから2年を迎えようとしていますが、2人とも毎日100%の力を発揮しようとしています。私は南米人、彼はヨーロッパ人で、異なる文化を持っているので、当然、性格は異なりますが、毎日ベストを尽くそうという情熱は同じなので、それが自分たちを強くしています」と話した。

 トップ10に入っている選手のコーチたちは、おおよそ似た内容の話をしている。コート内外でお互いを尊重し、テニス対して熱い情熱を持っていることだ。彼らと比較すると、異色なコーチがいる。若手を育てているベテランコーチである。

 イタリアの名コーチ、リカルド・ピアッティ62歳は、32年間プロ選手のプライベートコーチとしてのキャリアを持つ。現在フェデラーのコーチをしている元ATP3位のイワン・リュビチッチのコーチを、954位から引退するまで務めた。現在は大注目の若手、19歳のヤニック・シナー(イタリア)のコーチを務めている。
 
 シナーは今年、全仏オープンではベスト8入りを果たし、ツアー初タイトルを獲得し、自己最高となる37位で今シーズンを終えた。13歳からピアッティコーチのアカデミーを拠点にしているシナーが、全幅の信頼を寄せる理由は、コーチのコメントからもうかがえる。

 ピアッティ氏は、「コーチングよりも、選手の教育が最優先です。私はこれまでも、すべての選手に対して、彼らの持ち前の才能に向き合ってきました。私たちコーチがすべきことは、選手たちに秩序を与え、彼らの中にあるものを引き出すことだと思っています」 

「ヤニックが、私のところに来た時は、まだ子どもだったし、人間としても、あらゆる面で多くのことを学ばなければならなかった。若い選手たちが、上達すればするほど、テニスへの向き合い方を教育してくれる人間が必要になってくる。私はそれをヤニックにしているのだと思います」と、自身のコーチングに対する明確なポリシーと共に語った。

 有望な若手を育てるコーチに、トップを目指すために共に戦うコーチ。コートでプレーするのは選手だけだが、その後ろでは頼りになるコーチたちが支えていることがわかる。

文●東真奈美

【PHOTO】プレーの合間に垣間見えるトッププロの素顔
 
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