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海外テニス

2021年以降、大坂なおみはさらに“爆発”する?キャリアGSへの課題と、かつてシャラポワを支えた日本人トレーナーの存在

内田暁

2021.01.01

全豪で1度、全米で2度の優勝を誇る大坂だが、全仏、ウインブルドンでは3回戦進出が最高とまだ好成績を出せていない。(C)Getty Images

全豪で1度、全米で2度の優勝を誇る大坂だが、全仏、ウインブルドンでは3回戦進出が最高とまだ好成績を出せていない。(C)Getty Images

 2018年の全米オープンに次いで翌年の全豪オープンをも制した後、大坂なおみは「次の目標は、キャリア・グランドスラム」だと明言した。

【PHOTO】全米オープン2年ぶり2度目の優勝を果たした大坂なおみ!今大会を厳選写真でプレイバック!

 キャリア・グランドスラムとは、全豪、全仏、ウインブルドン、そして全米の四大大会すべてを獲得すること。当時20歳の世界1位は、「今自分は、その目標の半分までは来ている」と、残る「半分」の道程を歩む自分を思い描いていた。

 それから数カ月後。全仏オープン3回戦で敗れた大坂は、「全てのグランドスラムを勝つのは、ものすごく難しいとわかった。だから、成し遂げた人はこんなに少ないんだなって……」と、無垢なる所感を口にした。続くウインブルドン初戦で敗れた時には、会見で涙し、話すことすらままならなかった。自身に課す世界1位の責務や理想像と、重圧がのしかかる現実との間で、彼女は重ならぬ心と身体を持て余していた。
 
 大坂が身にしみて実感した「全てのグランドスラムを勝つ難しさ」とは、ハード、赤土(レッドクレー)、そして芝(グラス)の三種のサーフェスを、制さなくてはならない点にある。プレーの相性や経験の面から言うと、大坂がハードコートを何より得意としていることは明白だ。

 北米のハードコートで育った彼女は、どう打てばボールがどこに弾むか、いかに足を踏み出しスライディングすればどこまでラケットが届くかを、身体の記憶として熟知している。対して赤土と芝で初めてプレーしたのは、17歳の時と遅い。しかもシーズンを通じ、赤土や芝の大会に出場するのは、それぞれ2~4大会ほど。経験値を得るのも困難だ。

 赤土と芝に対する手応えや苦手意識も、年齢を重ね目指すところが変わるにつれ、微妙に移ろっている。まだ10代の頃、大坂は芝を「自分に向いている」と感じていた。彼女の武器であるサービスや強打が、球足の速い芝では生きるからだ。だが、強打一辺倒ではなく、コートカバーやポイントの組み立てに如実な成長が見られた20歳の頃から、赤土と芝の序列は逆転する。最大の理由は、フットワーク。赤土でのスライディングのコツを掴み始めた一方で、滑る芝での足運びは心もとない。さらには例年、赤土から芝への移行期にケガに見舞われることも、全仏とウインブルドンで苦戦を強いられる一因だ。
 

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