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海外テニス

ケニン、シフィオンテク、コロナ禍で躍動した若き力。大坂は新世代の旗手となり得るのか? 【2020女子ツアー回顧】

内田暁

2020.12.29

2020年シーズンに新たにグランドスラマーの仲間入りを果たしたケニン(左)とシフィオンテク(右)。(C)Getty Images

2020年シーズンに新たにグランドスラマーの仲間入りを果たしたケニン(左)とシフィオンテク(右)。(C)Getty Images

 過去5年間、毎年新たな“グランドスラム優勝者”が輩出している女子テニス界から、今年も2人の新女王が誕生した。

 1人は、1月の全豪オープンを制したソフィア・ケニン。
 もう1人が、秋のパリで開催された全仏オープンを制した、イガ・シフィオンテク。
 ケニンは、優勝当時21歳。そしてシフィオンテクは、19歳。いずれも、今後の女子テニス界の中核を担うであろう若手である。
 
 ケニンが全豪を制した時、彼女の活躍に伴い注目を集めた話題に、キム・クリステルスとの交流がある。地元フロリダで天才少女と呼ばれていたケニンが、時の世界1位のクリステルスとマイアミで時間を過ごした動画は、ソーシャルメディアで広まり有名になった。
 
 そのクリステルス自身も、36歳にして復帰を表明した、今季の話題の人である。真剣勝負の緊張感を渇望した三児の母は、2月のドバイオープンで8年ぶりに公式戦のコートに立つ。結果はガルビネ・ムグルサ相手の敗戦ではあるが、今後の活躍に期待感を抱かせるに十分なパフォーマンスを見せた。

 次々に萌芽する若い力と、人生の機微も経てきたベテラン勢の円熟――。
 異なる魅力が交錯し、深みある物語が編まれる予感が高まりつつあったが、その機運は新型コロナウイルスの感染拡大により、3月中旬に唐突に断ち切られた。
 
 コロナ禍は、男女問わずテニス界と選手を困難な状況に陥れたが、より大きな影響を受けたのは、女子ツアーの方だったろう。
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