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グランドスラム「最高の番狂わせ5選」をATPが発表!1位はガストンがワウリンカを下した全仏オープン3回戦!

酒井朋子

2020.12.30

4回戦ではティームとのフルセットの激戦を演じ、惜しくも敗れたガストン。(C)Getty Images

 ATP(男子プロテニス協会)は、公式ホームページで2020年のグランドスラムにおけるベスト"アップセット"マッチ(番狂わせ)5選を発表。第1位には、全仏オープン3回戦のヒューゴ・ガストン(フランス)とスタン・ワウリンカ(スイス)の試合が選出された。地元フランスの声援を受けるガストンが、大会元チャンピオンを破ったことで話題となった試合だ。

1位 ヒューゴ・ガストン(フランス) def. スタン・ワウリンカ(スイス)
2020年10月2日 全仏オープン 3回戦 2-6, 6-3, 6-3, 4-6, 6-0

 3度のグランドスラムチャンピオンと、この全仏オープンまでツアー本戦で勝利を挙げたことすらなかった20歳の青年の対戦はミスマッチともいえるだろう。しかし、例年とは異なり冷たい風の吹きすさぶパリの赤土は、大方の予想を覆す結果をもたらした。

 2015年大会のチャンピオン、12回目の出場となるワウリンカは、再び栄冠をつかむべく波に乗ろうとしていた。第1セットを6-2と難なく奪い、すべてが計画通りに進んでいるかのように思われた。
 
 しかし、身長172cmと小柄で左利きのガストンは、ワウリンカのパワーをうまくいなすトリッキーなプレーで対抗。特に彼のドロップショットは、大会を通して世界中のファンを魅了するほど絶妙だった。ワウリンカもこれに警戒していたが、ガストンは豊富なショットバリエーションで主導権を握り、第2、第3セットを立て続けに奪い返す。

 その後はファイナルセットにもつれ込んだが、ホームの観客の声援に支えられ、ガストンが衝撃的な勝利を収めた。マッチポイントが決まった直後、ガストンは思わずラケットをコートに落とし、両手を頭の上に置いて勝利を噛み締めた。

「説明するのは難しいけれど、とにかく素晴らしいことだよ」
 ガストンは試合後にそう語った。

 グランドスラムベストアップセットマッチ2位~5位は以下の通り。

2位 ダニエル・アルトマイアー(ドイツ) def. マッテオ・ベレッティーニ(イタリア)
2020年10月3日 全仏オープン 3回戦 6-2, 7-6(5), 6-4

3位 バセク・ポスピシル(カナダ) def. ミロシュ・ラオニッチ(カナダ)
2020年9月3日 全米オープン 2回戦 7-5, 2-6, 4-6, 6-3, 6-2

4位 キャメロン・ノリー(イギリス) def. ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)
2020年9月1日 全米オープン 1回戦 3-6, 4-6, 6-2, 6-1, 7-5

5位 エルネスツ・ガルビス(ラトビア) def. フェリックス・オジェ=アリアシム(カナダ)
2020年1月21日 全豪オープン 1回戦 7-5, 4-6, 7-6(4), 6-4

文●酒井朋子

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【動画】ガストンとワウリンカの全仏オープン3回戦のハイライト