国内テニス

「今日負けた落胆よりも100位が目の前まできたワクワク感の方が強い」。内山靖崇が楽天オープンベスト8で得た物

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2019.10.04

予選から勝ち上がり、本戦の準々決勝まで駒を進めた内山靖崇。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

【楽天ジャパンオープンテニスチャンピオンシップ2019】
本戦準々決勝/10月4日(金)

R・オペルカ 6-3 6-3 内山靖崇[Q]

 内山靖崇の楽天オープンでの快進撃は準々決勝で幕を閉じた。しかし、彼にとって収穫の多い大会となったのは間違いない。

 今日の相手のレイリー・オペルカは、身長210センチの誰もが認めるツアー屈指のビッグサーバーだ。そのサービスを受けた内山は、「角度が違います。180センチや190センチの選手よりも高く跳ねてくるので、捉えきれなかった」とサービスの質の違いを説明した。
 
 リターンが困難になれば、自然と「自分のサービスゲームは落とせない」という気持ちになり、これまでサービスが好調だった内山が、第セットは47%しかファーストサービスが入らなかった。サービスキープに苦戦し、2本連続でダブルスフォールトを犯してブレークを許すと、2-4とリードされてしまう。

 ビッグサーバーを相手にブレークされれば致命的で、そのまま第1セットを奪われる。第2セットも似たような展開となり、3-6、3-6でセンターコートを後にした。
 今日の結果は敗戦だったが、大会を通してみれば、内山にとって充実した1週間だった。「大会直前まで予選にも出られないはずだった。それが金曜日まで残れたので、そこを評価したい」と言う。西岡良仁が本戦入りできたことで巡ってきた、予選のワイルドカードでの出場を、これ以上ないほど生かし、経験も自信も手に入れた。

 ベスト8という結果で、実質的に得たものはポイントだ。110ポイントを獲得し、107日のランキングではキャリアハイとなる110位前後にまで上がる予定だ。「今日負けた落胆よりも100位が目の前まできたワクワク感の方が強い。100位は今大会前だとかなり厳しかった。110点取れて、現実的に見えてきたと思う」と、目標としている100位が一気に近づいてきた。

 目標が現実味を帯びてきたことで、俄然、やる気も違ってくる。「(今後は)チャレンジャーに4大会出ます。疲れを取って自分が力を発揮すれば、どの大会も優勝を狙えると思う」と、シーズン終盤に猛チャージをかけるつもりだ。

 今大会から増田健太郎氏に加えて、鈴木貴男プロもコーチに付いた。彼の経験はきっと大きなサポートになるだろう。そして、100位以内に入れば、来年の全豪オープン本戦出場も見えてくる。内山はテニス人生を大きく左右する、重要な時期を迎えようとしている。

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■10月4日(金)の主な試合結果■

R・オペルカ 6-3 6-3 内山靖崇[Q]
J・ミルマン[Q]  6-4 6-0  ダニエル太郎[WC]
N・ジョコビッチ(1)  6-1 6-2 L・プイユ(5)



■10月5日(土)の試合予定■
〇コロシアム

第1試合(1時開始)R・オペルカ vs J・ミルマン[Q]
第2試合(3時以降)N・ジョコビッチ(1)  vs  D・ゴファン[3] or チョン・ヒョン
第3試合  N・メクティッチ/F・スクゴール vs  L・プイユ/J-L・ストルフ


〇楽天カードアリーナ(11時開始)
国枝慎吾(1)  vs  ドン・シュンジャン
齋田悟司 vs  S・オールセン(2)
国枝/オールセン vs  ドン/イム
※[WC]=ワイルドカード(主催者推薦枠)、[Q]=予選上がり、カッコはシード

■大会情報■

楽天ジャパンオープン
9月30日~10月6日(本戦)
10月4日~6日(車いすテニス)

会場・有明コロシアム及び有明テニスの森公園
 
取材・文● 赤松恵珠子(スマッシュ編集部)