海外テニス

テニス界のレジェンド、アガシとのトレーニングで学んだ20歳のコルダ。「アンドレは他の人たちと違うゲームの見方をしている」 

東真奈美

2021.01.10

元世界2位を父に持つセバスチャン・コルダ(左)と、元世界1位のアンドレ・アガシ(右)。(C)Getty Images

 次世代プレーヤーたちに期待を寄せる、ATP(男子プロテニス協会)公式が、アメリカの新星セバスチャン・コルダを取り上げた。彼は2021年の目標を明確に定めている。年末に行なわれる「ネクストジェンATPファイナルズ」への出場だ。

「それに出場できるのは僕にとって大きなこと。その年の次世代ベストプレーヤー(※21歳以下)のトップ8だけが、そこでプレーすることができるからね。だからこそ、出場することは間違いなく、今年の大きな目標だ」と語った。

 昨年チャレンジャーのタイトルを獲得し、現在ATPランキング119位のコルダにとって、順調に進めばその目標は達成されそうではある。それよりも、もっと大きなことをやってのけるかもしれない。なぜならコルダは、オフシーズンにラスベガスで、元世界1位のアンドレ・アガシの元で2週間のトレーニングを行なっているのだ。
 
 アガシとのトレーニングをセッティングしてくれたのは、父親でコーチのペトル・コルダだ。「ツアーが中断していた期間、自宅隣のコートで練習していたけど、心が折れそうになっていたんだ。そんな時、父が『彼に声をかけてみよう』と、素晴らしいアイディアを出してくれた」と、このアガシとのトレーニングがツアー中断中のモチベーションになったことを告白。

「アガシが、ダブルスでタイトルを獲ったのは、父と一緒にプレーした時だけだったはず」とセバスチャンは言う。つまり、アガシが1993年シンシナティーでダブルスタイトルを獲得した際のパートナーであった、元世界2位のペトル・コルダがお願いしたというわけだ。

「アンドレは、他の人たちと違うゲームの見方をしている。それは間違いない。彼は対戦相手を読み、試合の流れを感じ取っている。試合中や試合前には考えられないようなことを考えているんだ」と、2週間のトレーニングで感じたことを語った。

 本人は、精神的な強さや余裕が、2021年の自身の飛躍の鍵を握っていると考えている。テニス界のレジェンドのアガシのテニス哲学を学び、吸収したセバスチャン・コルダなら、一気にスターダムにのし上がる可能性もある。

文●東真奈美

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