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全仏女王の19歳シフィオンテク、環境が変わっても冷静さを保つ。「みんなが違う扱いをしても、中身は同じ」〈SMASH〉

東真奈美

2021.02.02

全仏優勝後に忙しい日々を過ごしたシフィオンテクが、再びコートに戻ってくる。(C)Getty Images

「ブレークした次の年をどのように過ごすのか?」 昨年19歳でテニスの四大大会の1つである、全仏オープンを制したイガ・シフィオンテク(ポーランド)。WTA(女子テニス協会)公式サイトが、昨年12月にスペイン領カナリア諸島テネリフェ島でトレーニングに励んでいた彼女にインタビューした。

 想像通り、全仏オープン初優勝後は、彼女を取り巻く環境も大きく変わった。「ビジネス面やメディア対応の仕事や責任が増えました。全仏オープンから2カ月が経った今でもまだ慣れません。もう少し落ち着くと思っていたのですが、やはり違いますね」と、忙しかった日々を振り返る。

 そんな中でも、グランドスラム優勝者になったことで、何か楽しかったことやクールな出来事について聞かれると、「全仏オープン直後は、もう永遠に休むことはできないのではと思うほどクレイジーな毎日でした。だから、プレシーズンになって、また自分と自分のテニスに集中することができて本当に感謝しています。ポーランドのワルシャワ郊外の小さな町で、今までで一番ハードな練習を1週間しました。これまで通りに戻れたと思い、本当にクールでした。面白くもクールな答えでもないけど」

 偉業を成し遂げた19歳なら、周りからチヤホヤされて浮かれることだってありえるだろう。しかし、シフィオンテクは自分が何者であるかを、しっかりとわかっているようだ。「実際にコートに立つと、原点に戻れたような心地よい感覚でした。コートが自分の居場所であり、そこには安心感があり、良い意味で自信が持てました」
 
 新シーズンに向けても、新しい環境の中で戦う準備を整えている。2年以上前からチームに加わった、スポーツサイコロジストのダリア・アブラオモヴィッチ氏の存在が重要になってくる。「2021年は、これまで以上に期待され、もっと大変になると思うから、精神面でもダリアと一緒にメンタル強化に取り組んでいます」と、抜かりはない。

「より大きなスポンサーとより大きな義務を持つことになるのは、これまでと違う点です。今までは学業とテニスを両立してきました。今はもう学校がないので、コート外での生活が忙しくても、良いパフォーマンスを発揮できると思います。みんなが違う扱いをしてくるような気はしますが、中身は同じですから。好きなことなので楽しいです」と、頼もしいこと、この上なかった。

 シフィオンテクは、1月31日から開幕したギプスランド・トロフィー(オーストラリア/WTA500)に第6シードとして出場する。全仏オープン優勝後、初となる試合は、2月2日に予定されている。フレッシュな全仏チャンピオンがどんなプレーを見せてくれるのか、期待しよう。

文●東真奈美

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