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「トロフィーをコンプリートしたい」生涯グランドスラムを狙う大坂なおみが、クレーと芝で求められるものは?〈SMASH〉

東真奈美

2021.02.23

19年全仏オープンでは3回戦敗退。今年はクレーで成長した姿が見られるか?(C) Getty Images

 先週末の全豪オープンテニスで、2年ぶり2度目の優勝を決めた大坂なおみ。この優勝は、グランドスラム4つめのタイトルで、世界ランキングは2位に浮上した。

 大坂の持つグランドスラム4つのタイトルは、全米オープン(2018と2020)と全豪オープン(2019と2021)での2つずつで、共にサーフェスはハードコート。大坂は、クレーとグラスコートではまだツアー大会で決勝に進んだことがない。

 次のグランドスラムは5月に開催予定の、クレーコートの全仏オープン。順調に実力を高めている大坂は、ハードコートでの成功をクレーと芝でも再現できるのか。大坂は全豪オープン優勝後、WTAインサイダーポッドキャストに参加し、今後のクレーや芝シーズンについての考えを語った。

 クレーコートで結果を出すことについて、「何よりもワクワクしています。初めて何かをするという感じと、得意なことを増やしたいという気持ちがあります。私にとってそれは、優先順位が高いことです。あと、トロフィーをコンプリートしたいと思っています。まだ2つ足りない(笑)」と、大坂は野心を見せた。

 クレーコートでの自身のプレーは、「悪いプレーはしてはいないと思っています。ただ、グランドスラムでは、みんなが期待していたような結果は出せていません。でも、それも過程だと思っています」。大坂の全仏オープンでの最高成績は3回戦進出。グランドスラムホルダーとしては、もっと良い成績を期待されるのは当然だが、今は成長過程だと本人は認識しているようだ。
 
 グラスコートに関しては、「正直なところ、芝の場合は、経験の問題だと言えます。でも、毎年多くのことを学んでいますし、より多くの人とも話をしています。芝の高さでボールの跳ね具合がわかる人がいるんですよ? 想像もつかないけれど、彼らこそが経験者なのでしょうね。いつか私もそのレベルに到達したいです」と話した。

 ジュニア時代に芝でプレーしたことがない大坂にとって、経験不足なサーフェスであることは間違いない。ウインブルドンの成績も3回戦進出が最高で、優勝への道のりは遠い。

 しかし、「クレーでも芝でも、良いプレーをするために必要なものは全て揃っていると感じています。ただどちらのサーフェスでも、自分が完全に快適にプレーできるとはまだ思っていません。だから、もっと多くの経験を積む必要があると思っています」と大坂。

 ハードコートでは圧倒的な強さを発揮する彼女も、クレーと芝では苦戦している。4月になるとクレーシーズンが開幕。大坂の新しいチャレンジが始まることになる。

文●東真奈美

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【動画】19年全仏3回戦。大坂対シニアコワのハイライト