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復帰目前のフェデラーが明かしたジョコビッチとの関係「対戦は楽しい」「彼は史上最高の選手のひとり」〈SAMSH〉

中村光佑

2021.03.07

ツアーに復帰するフェデラー(左)がジョコビッチ(右)や復帰への意気込みを話した

 男子テニスツアー「カタール・エクソンモービル・オープン」(カタール・ドーハ/ATP250)に出場する世界5位のロジャー・フェデラー(スイス)が大会前のインタビューに応じ、同1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)の存在について語ったことを、テニス専門メディア『UBITENNIS』が伝えている。

 長年にわたってテニス界を牽引し、数々のタイトルを総なめにしてきたフェデラーとジョコビッチ。ATPツアーでも両者の対戦は50回に及び、そのうち5回はグランドスラムの決勝の舞台で戦っている。2019年のウインブルドン決勝で5時間近く繰り広げられた激闘も今なお多くのテニスファンの記憶に新しい。

 フェデラーによればジョコビッチの存在は「自分自身がいいプレーヤーになるために役立ってきた」という。さらに、「彼との対戦は楽しいよ。彼と試合をすると、お互いの良さを最大限に引き出すことができると感じている」と述べた。

 プレーについては、「彼はディフェンスがうまい上に、時にはアグレッシブに攻撃できるし、全体的にプレーのバランスがいいんだ。だからこそ、彼は史上最高の選手のひとりなんだ。彼と対戦することはとても楽しいし、彼は僕をより良い選手にしてくれた選手の1人だ」とジョコビッチを高く評価している。
 
 続けて、「ノバクのような最高のプレーヤーに相対する時には、自分のベストなゲームをしなければならないことはわかっている。むしろそれだけでは十分ではない。彼はどんなボールも逃さないモードに入ることができるからね」とジョコビッチとの対戦に臨む際の心構えも明かした。

 3月8日のランキングでは、1位在位期間の記録で、フェデラーを抜いてジョコビッチが単独1位になる予定(311週)。またグランドスラム最多優勝数でも、フェデラーとナダルが持つ20個に向けて、18個のジョコビッチは猛追している。お互いの存在がレベルアップに欠かせないのは間違いないだろう。

 その後ツアー復帰について記者から問われたフェデラーは「まずはドーハに戻ってくることができて、とても興奮している。1年以上プレーしていないから、どうなるのか気になるところ。でも、何かしらプレーの感覚が残っていることを祈っている。トレーニングができなかったり、お腹が痛くてよく眠れなかったりしても、とりあえず柔軟に対応できるようにしたいものだね」と冗談を交えながら意気込みを語った。

 なお、ドーハ大会で第2シードとして出場するフェデラーは復帰戦となる2回戦で、ジェイミー・シャルディ(フランス)またはダニエル・エバンズ(イギリス)と対戦することが決まっている。右ヒザの状態は気になるところだが、フェデラーには持ち味の美しい芸術的なテニスで再びファンを魅了してくれることを期待したい。

文●中村光佑

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