海外テニス

準優勝2回のティームが悲願の全仏制覇に向け、まずは「マドリードとローマを確実にこなすこと」と意気込み!〈SMASH〉

中村光佑

2021.04.13

過去2度にわたり全仏決勝でナダルに敗れているティームは、前哨戦で勢いをつけながら悲願のタイトルを目指す構えだ。(C)Getty Images

 男子テニス世界4位のドミニク・ティーム(オーストリア)が、全仏オープンにおけるラファエル・ナダル(スペイン)の強さや、コロナ禍でのツアー参戦によるストレスについて語ったことを、海外スポーツウェブメディアの『sportskeeda』が伝えている。

 全サーフェスの中でクレーコートを最も得意とし、過去には2018年と19年の全仏で決勝へと進出したティーム。とはいえ、いずれも「クレーキング」と称されるナダルに優勝を阻まれ、「ローラン・ギャロス(全仏)でラファエル・ナダルを破ることは、スポーツ界で最も困難なことのひとつだ」と脱帽している。

 また、「ローラン・ギャロスでは、ナダルが他の誰よりも優れているため、正直に言うと特別な状況にある」ともコメント。ティームの言葉通り、全仏でナダルは通算100勝2敗と驚異的な記録を残しており、現在は2017年大会から4連覇中。今年もナダルが優勝候補筆頭であることは間違いない。

 一方でティームは、徐々に世代交代が進んでいることも実感しているようで、「例えば全仏以外のグランドスラムでは他の選手にもチャンスが広がってきている。以前はナダル、ジョコビッチ、フェデラーだけだったが、今では6人か7人の選手にグランドスラムを制するチャンスがあるだろう」と語っている。
 
 実際のところ、ティームは2020年の全米オープンで初優勝を果たしており、ダニール・メドベージェフ(ロシア)も今年の全豪オープンで準優勝を収めるなど、次世代のプレーヤーの活躍が目立っていることは疑いようのない事実だ。
 
 そんな中、今シーズンのティームは序盤から思うような成績を残せておらず、3月のカタール・オープン以来、大会にも出場していない。それについては「全てが以前よりも少しずつ難しくなっている。だからこそ、僕も他の多くの選手も、通常よりも多くの休養を取ることになると思う」と明かしており、コロナ禍で選手に課される多くの制限が大きなストレスになっているという。

 それでも最後には得意なクレーコートが舞台となる「マドリードとローマでの試合を確実にこなさなければならない。そうすれば、パリで完全に復活できる」と全仏初制覇へ意気込みを示した。

 意外にもクレーでは、グランドスラムに次ぐマスターズでもタイトルを手にしていないティーム。今年こそはクレーコートの大規模な大会でも優勝カップを掲げる姿を見せてもらいたい。

文●中村光佑

【写真】2020全仏オープンで活躍したティームら男子トップ選手たち!