2018年に母親を、2019年に父親を亡くし、そして昨年に第一子を家族に迎え入れたロベルト・バウティスタアグート（スペイン）が、欧州メディア『ユーロスポーツ』のインタビューで、家族の変化が自身にどのような影響を与えているのかを語った。

　バウティスタアグートにとって、昨年９月に父親となったことはこれまでの人生の中で最も素晴らしい出来事のうちのひとつ。両親を亡くしたことで失われた家族の絆を十分に回復させてくれたという。

「私にとって家族は常に重要なものであり、家族への愛は他とは比べようのないものだ。それは両親を亡くす前から感じていた。家に帰り、両親が少しずつ年を重ねていくうちに、彼らと過ごすわずかな時間を楽しもうと心に決め、そしてその心構えは今でも変わらない」

　最近は、中東でのツアーに妻子が帯同していたが、普段は家族と離れて戦う彼にとって、子どもの成長を見守る機会は非常に特別なものだった。そんな、日々進化を続けるわが子に、プロアスリートとして何を伝えたいかと問われると、バウティスタアグートは「それは忍耐だ」と、なんとも彼らしい考えを明かす。
  「物事に対して粘り強く取り組み続けるのはとても良いことで、困難を乗り越えるための重要な手段。これは大なり小なり人生のあらゆることに言える」と語るバウティスタアグートは、今年の全豪オープンでパフォーマンスを発揮できず、格下相手に１回戦敗退を喫したが、この悔しさを糧にして「よりハードなトレーニングをするようになった」という。

　そして、その結果として調子を上げ、「今ではトップ10選手にも勝てるようになり、再びポジティブな感覚を味わえるようになった」のだと明かした。こういった出来事こそが、人を真に成長させてくれるのだという。

「今の私の最大の目標は、自分の最高のレベルを維持し続け、コート上での時間を楽しみ、家族と成功や思い出を共有することだ」

　新たな家族を迎え、さらに強さをましたバウティスタアグートの今後の活躍に期待したい。

構成●スマッシュ編集部

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