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トップ選手たちは東京五輪に出場するのか?ナダルは「答えは出せない」、ズベレフは「3種目全てに出たい」<SMASH>

中村光佑

2021.05.12

北京五輪の金メダリストであるナダル(左)は東京五輪出場に慎重な姿勢。一方ズベレフ(右)は条件付きながら全種目出場に意欲を見せる。(C)Getty Images

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で1年延期となり、今年7月に開催を予定している東京オリンピック。だが、現在も世界中で感染状況が報告される新型コロナの現状から、テニス界では選手間で出場に対するスタンスが異なっているようだ。

 日本国内でも新型コロナの新規感染者数が増加しており、政府は東京や大阪をはじめとした6都府県に対して緊急事態宣言を発令するなど非常に厳しい状況に直面。そんな中、大坂なおみと錦織圭が共に「安全な大会を実現するにはもっと議論をすべきだ」と主張したように、アスリートたちからもすでに東京五輪の開催強行に対する懸念の声が広がっている。

 オリンピックの男子シングルス部門で2度目の金メダルを狙う世界ランク3位のラファエル・ナダル(スペイン)も東京五輪の出場には慎重な姿勢を示しており、「まだ決めていない。今はまだわからないし、(コロナが蔓延している)このような状況下では明確な答えは出せない」とコメントしている。
 
 一方で出場に意欲を示しているのが世界6位のアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)だ。健康面の問題で2016年のリオ五輪を欠場したズベレフだが、今年の東京大会には「100%の状態で臨みたい」と考えている。

 また、「事前に4週間隔離されて部屋から一歩も出られないようなことがなければ、僕もプレーするよ」としたうえで、「テニスの3種目(シングルス、ダブルス、ミックスダブルス)全てに出場したいし、複数のメダル獲得を目指したい」とも明かしている。

 だが、新型コロナは非常に強い感染力を持つため、多数の競技の選手と大会関係者が一堂に会するオリンピックの開催を実現するにはさらなる安全の保障が求められる。最終的にどのような決断が下されるのか、今後の動向に注目だ。

文●中村光佑

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