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海外テニス

ゴルフ界の“帝王”ニクラウスが大坂なおみを擁護。変化するメディアの姿勢へ疑問呈す「最近は名声を得ようとする人が…」

THE DIGEST編集部

2021.06.04

全仏をまさかの形で終えた大坂(左)。ニクラウス氏(右)が自身のメディアとの関わり方を振り返った。(C)Getty Images

全仏をまさかの形で終えた大坂(左)。ニクラウス氏(右)が自身のメディアとの関わり方を振り返った。(C)Getty Images

 現地6月1日、男子ゴルフで史上最多のメジャー18勝を誇るジャック・ニクラウス氏が、大会ホストを務める米男子ゴルフツアー『メモリアル・トーナメント』の開幕前会見に出席。波紋を広げるアスリートの“メンタルヘルス問題”について口を開いた。

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 この問題の議論に火がついたきっかけは、現在開催中の『全仏オープンテニス』で棄権を発表した大坂なおみの一件だ。大会の開幕前に「負けた後の会見は、落ち込んでいる人を蹴落とすようなもの」として“ボイコット”を宣言すると、実際に1回戦後の会見を欠席。その後はうつ症状を告白するとともに、大会を後にしている。

 そして今回、一連の騒動について見解を問われた81歳のニクラウス氏は、「ここで話すのを拒否する人がいないことを願う」としたうえで、メディアに対する自身の捉え方を「常に『あなた方(メディア)にはやるべき仕事がある』というものだった」と回顧。「私はあなた方に正直であろうと、誠実に率直に質問に答えようとした」と振り返った。
 

 そして、大坂の決断に関しては「彼女が何を感じて何をしたのか、私は何も読んでいない」としたうえで、「もし彼女に(不安の問題が)あって、それによって悩ませているのであれば、あなた方は彼女への負担をかけずに必要なことをさせてあげるべき」と指摘。「誰も彼女を責めることはできない」と温かい言葉を送っている。

 当時65歳の2005年に競技生活へ終止符を打ったニクラウス氏。自身の現役時代と比較して変化するメディアの姿勢について次のように語った。

「最近のメディアには一部、名声を得ようとしたり、センセーショナルなことをしようとする人がいる。20年ほど前もそうだったが、私が子どもの頃にはあまりなかったことだ。ただ、そういう人たちの見分けはすぐにできる。そして自分の行動に注意を払うようになった」

 テニス界のみならず、スポーツ界全体に波紋を広げている今回の棄権。まずは大坂が十分な休息をとり、再びコート上で元気な姿を見せてくれることを祈るばかりだ。

構成●THE DIGEST編集部

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