海外テニス

「この瞬間を夢見てきました」全仏OP女子はノーシードのクレイチコワが初優勝!<SMASH>

中村光佑

2021.06.13

25歳でグランドスラム初優勝を果たしたクレイチコワ(右)。29歳で初のGS決勝に進出したパブリチェンコワ。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「全仏オープン」は現地6月12日に女子シングルス決勝を実施。世界ランク33位のバルボラ・クレイチコワ(チェコ)が同32位で第31シードのアナスタシア・パブリチェンコワ(ロシア)を6-1、 2-6、 6-4のフルセットで下し、自身初となるグランドスラム優勝を果たした。

 優勝候補のシード勢が続々と敗退する中で共に初のグランドスラム決勝進出を果たし、今大会が初の顔合わせとなったクレイチコバとパブリチェンコワ。

 クレイチコワは、開始直後の第1ゲームでいきなりブレークを許したが、コートを広く使うプレーで、第2ゲームから6ゲームを連取して第1セットを奪う。自身のミスから第2セットを落としたものの、迎えたファイナルセットでは、キレのあるダウンザラインを軸にクレイチコワが主導権を握り、1時間58分で粘るパブリチェンコワを振り切った。

 ノーシードからチェコ勢40年ぶりの全仏制覇を成し遂げたクレイチコワは「とにかく『ファーストサービスをきっちりと入れないと』と考えながらこの試合に臨みました。今日は接戦でした」と振り返った上で、「アナスタシア、本当に素晴らしいプレーでした。彼女は実に多くのトーナメントを戦い抜いてきて、経験値が豊富な選手です。今日はこういう結果になって、あなたに対して申し訳ない気持ちもありますが、この2週間のあなたのプレーは素晴らしかったと思います」と対戦したパブリチェンコワを称賛。
 
 最後に「私はこの瞬間を夢見てきました。歴代のチャンピオンの方々にも見守っていただいて、最高の瞬間です。チェコの皆さんも喜んでくれていると思います。この日のために子どものころから1球1球必死に追いかけてきて、ようやくその成果が出ました。今日の決勝は楽しめたし、とってもハッピーです」と喜びを語った。

 一方、惜しくもグランドスラム初優勝を逃したパブリチェンコワは「バルボラおめでとう。ものすごいパワーでした。本当に圧倒的でした。何といえばいいかわかりません」とクレイチコワを祝福し、「またこの会場でお会いしたいです。皆さん応援ありがとうございました」と現地のファンに向けて感謝の言葉を送った。

 なお、クレイチコワはカテリーナ・シニアコワ(チェコ)とのダブルスでも決勝に進出。2000年のメアリー・ピアース(フランス)以来となる全仏での単複2冠をかけ、現地6月13日にベサニー・マテックサンズ(アメリカ)/イガ・シフィオンテク(ポーランド)と対戦する。シングルスに続いて優勝トロフィーを掲げることができるのか、クレイチコワへの期待は高まるばかりだ。

文●中村光佑

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