海外テニス

「この試合の全てを彼女に届けたい」全仏準優勝のチチパスが決勝5分前に祖母が亡くなったことを告白<SMASH>

中村光佑

2021.06.15

決勝のコートに足を踏み入れた時、緊張だけではない複雑な感情があったことを明かしたチチパス(C)Getty Images

 現地6月13日に行なわれた「全仏オープンテニス」(5月30日~6月13日/フランス・パリ/クレーコート/グランドスラム)の男子シングルス決勝で、世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)に7-6(6)、6-2、3-6、2-6、4-6の大逆転で敗れ、惜しくも準優勝に終わった同5位のステファノス・チチパス(ギリシャ)。

 そんな彼が14日に自身の公式インスタグラム(@stefanostsitsipas)を更新し、決勝が始まる直前に祖母を亡くしていたことを明かしている。

 冒頭でチチパスは「コートに入る5分前に、僕の最愛の祖母は亡くなってしまった」と記し、「彼女は僕がこれまで出会ったどの人とも比較できないほど、人生に対する信念と、与えることを惜しまない賢明な女性だった。この世に彼女のような人が増えることは重要だと思う。なぜなら、彼女のような人は自分を生き生きとさせてくれるし、夢を与えてくれるから」と祖母への想いを語った。
 
 また、「結果や状況に関係なく、この試合の全てを彼女に届けたい。僕の父を育ててくれてありがとう。彼がいなければ、このような結果は成し遂げられなかった」と感謝の言葉も綴っており、今回の全仏準優勝を亡くなった祖母に捧げたいと考えているようだ。

 そしてチチパスは「人生とは、勝つか負けるかではなく、一人であろうと他人と一緒であろうと、その一瞬一瞬を楽しむことなんだ。トロフィーを掲げて勝利を祝うことは、何かの役には立つけど、それが全てではない」と全文を締めくくり、今回の敗戦を糧に前を向いて進んでいくことを誓った。

 2セットアップと先にリードを奪っていただけに、チチパスにとっては非常に悔やまれる結果となってしまったことは間違いないだろう。それでも、きっと天国へと旅立った祖母はグランドスラムの決勝の舞台で世界王者を追い詰めた姿をしっかりと見守ってくれていたはずだ。悔しさをバネに、これからも持ち前のアグレッシブなプレーで活躍してくれることを期待したい。

文●中村光佑

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