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海外テニス

有観客が後押し?ジョコビッチの東京五輪出場をセルビア連盟が発表。一方ケガが長引くデルポトロは出場断念<SMASH>

中村光佑

2021.06.24

ジョコビッチは東京五輪出場を決め、デルポトロはケガのために断念。ちなみに2人は過去に2度五輪で対戦し、デルポトロが2勝している。写真はリオ大会の1回戦。(C)Getty Images

ジョコビッチは東京五輪出場を決め、デルポトロはケガのために断念。ちなみに2人は過去に2度五輪で対戦し、デルポトロが2勝している。写真はリオ大会の1回戦。(C)Getty Images

 男子テニス世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、今夏の東京オリンピックに出場することが明らかになった。

 日本国内でも新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、「ファンの観戦が許されなければ、参加について考え直す」として、五輪の出場へ慎重な姿勢を見せていたジョコビッチ。

 だが、海外テニス専門メディアの「UBITENNIS」によると、セルビアテニス連盟は同国のスポーツ日刊紙「Sportski Zurnal」に対し、「ノバクはオリンピックへの参加を希望しており、我々はすでに彼の名前が入ったリストをセルビアのオリンピック委員会に送った」と説明。すでにジョコビッチは東京五輪の出場予定選手として登録されているという。6月21日に国際オリンピック委員会(IOC)や日本政府の合意のもと、最大1万人までの観客を会場に迎え入れると決定されたことも影響したのかもしれない。

 今季のジョコビッチは2月の全豪オープン、6月の全仏オープンで優勝。仮にウインブルドン、東京五輪、全米を制した場合、男子シングルスで史上初の「ゴールデンスラム(1年で全ての四大大会と五輪を制覇すること)の偉業を達成することになる。

 ちなみに、過去のゴールデンスラム達成者は女子シングルスのステフィ・グラフ(ドイツ)1人で、これまで数多くの輝かしい功績を残してきたジョコビッチにとっても容易な道のりではない。それでも全仏優勝後の記者会見では「全ては可能であり、僕はゴールデンスラムを達成するために良いポジションにつけている」と自信をのぞかせていた。再びテニス界の新たな歴史を作ることができるのか、テニスファンの期待も高まるばかりだ。
 
 一方で苦渋の決断を強いられたのが、2019年6月から約2年にわたり右ヒザのケガで戦列を離れている元世界3位のホアン・マルティン・デルポトロ(アルゼンチン)だ。以前から「東京五輪を復帰の舞台にしたい」と出場に意欲を示していたデルポトロは今年3月に4度目の手術を施し、その後トレーニングを再開していた。

 だが、6月23日にデルポトロの陣営はツイッターで「彼は東京オリンピックでプレーすることができなくなってしまった。ヒザのリハビリは医師の計画に従って順調に進んでいるが、医師がホアン・マルティンにリハビリのプロセスとトレーニングを続け、五輪の出場を見送るように提案した」と発表。残念ながら右ヒザの回復が間に合わなかったようだ。

 依然として新型コロナは世界中で猛威を振るっており、テニス界でも東京五輪の欠場を表明する選手が続出している。大会開幕まで残り1か月となったが、それぞれの選手がどのような決断を下すのか、今後も目が離せない。

文●中村光佑

【PHOTO】テニス史に名を刻むジョコビッチ、栄光の軌跡を写真で振り返る
 

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