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海外テニス

引退危機を乗り越えた元ジュニアトップ選手がウインブルドン初戦で快勝。好調のきっかけは同郷の先輩マリーからのアドバイス<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.06.30

苦しい低迷期を乗り越え、調子を上げつつあるブローディ。(C)Getty Images

苦しい低迷期を乗り越え、調子を上げつつあるブローディ。(C)Getty Images

 テニス四大大会「ウインブルドン」(6月28日~7月11日/イギリス:ロンドン/グラスコート)にワイルドカード(主催者推薦枠)で出場しているリアム・ブローディ(イギリス/143位)が、1回戦でマルコ・チェッキナート(イタリア/86位)を6-3、6-4、6-0のストレートで下して2015年大会以来6年ぶりの初戦突破を果たした。

 かつては、ジュニアグランドスラムでシングルス2度の準優勝、ダブルスで2度の優勝を挙げ、将来有望なジュニア選手として知られていたブローディだが、プロ転向後はあまり活躍できず下部大会を中心に転戦。ランキングを300位圏外まで落とした2018年には24歳という若さで引退を考えていたというが、諦めずに戦い続けてきた。

 それが今シーズンは、予選から出場した4つのツアー大会で本戦に進出。本戦でも格上選手を破って2大会で初戦を突破するなど、調子を上げつつある中、今大会でも元世界16位のチェッキナートを圧倒して見せた。

 海外テニスメディア『UBITENNIS』によると、「何年もの間、かなり出来の悪いテニスをしていたよ。2018年の終わりには、本気でラケットを手放そうと考えていた」と苦労の日々を振り返るブローディには、状況を好転させる明確なきっかけがあったようだ。

 それは、昨年6月に行なわれたイギリス国内でのエキジビション大会「バトル・オブ・ザ・ブリッツ」での出来事。共に出場していた元世界ランク1位のアンディー・マリーから、自身のプレーに関して貴重なアドバイスを受けたのだという。
 
「試合後に、彼とカフェで食事をしながら話したんだ。その試合や、さらにその次の試合についていくつかアドバイスをくれて、それが私にとっての大きな転機になった」

 具体的なアドバイスの内容は明かしていないが、これ以降ブローディはチャレンジャーツアーで着実に成長を続け、ランキングは直近の7か月間で60位ほどジャンプアップ。4月にはキャリアハイの137位を記録している。

 ブローディと同じく今大会で初戦突破を果たしたマリーも、このことについて質問を受け「彼は試合のことですごく悩んで、落ち込んでいた。だから僕は前向きなメンタリティーやアイデアを与えたんだ」と明かした。

 また「1年以内にキャリアハイのランキングに到達するだろう」とも予言していたようで、それがまさに的中した時には祝福のメッセージも送ったようだ。加えて、「彼は物事がうまくいっている時にはとてもうるさい男なんだ。僕らはイギリスの選手同士でグループチャットをしているから、今夜は彼が喋りまくるだろうね」と冗談めかしている。

 ブローディは大会初の3回戦進出をかけた次戦で、第9シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン/11位)と対戦する。

構成●スマッシュ編集部

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