海外テニス

ウインブルドン3連覇に王手のジョコビッチ。「ほとんど彼の方がよかった」と準決勝の相手、シャポバロフを称賛<SMASH>

中村光佑

2021.07.10

シャポバロフとのスコア以上の激戦を制したジョコビッチ。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「ウインブルドン」(6月28日~7月11日/イギリス:ロンドン/グラスコート/グランドスラム)は現地7月9日に男子シングルス準決勝を実施。第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/1位)が第10シードのデニス・シャポバロフ(カナダ/12位)を7-6(3)、7-5、7-5のストレートで下し、同大会7度目の決勝進出を果たした。

 今季は2月の全豪、6月の全仏で優勝を飾り、「ゴールデンスラム(1年ですべての四大大会とオリンピックを制覇すること)」にも大きな期待がかかるジョコビッチ。今大会もここまで失セット数をわずか1に抑え、順当に勝ち進んできた。

 だが、この試合は序盤から安定したプレーを見せるシャポバロフに苦戦。それでもタイブレークを制して第1セットを先取すると、第2セットでは第10ゲームから3ゲームを連取し、決勝進出へ王手をかける。迎えた第3セットはジョコビッチがシャポバロフのミスを引き出して主導権を握り、2時間44分で勝利を収めた。

 ウインブルドン6度目の優勝へあと1つと迫ったジョコビッチは試合後のインタビューで「第1セットは彼(シャポバロフ)にサービング・フォー・ザ・セットのチャンスがあったし、第2セットもほとんどは彼のほうが良かったと思う」と苦戦を強いられたことを明かしつつも、「大事な場面で、僕は彼よりも緊張を抑えて、彼に余分なショットを打たせたり、アンフォーストエラーをさせたりしたんだと思う」と勝因を語った。
 
 また、「デニスと対戦するのは大変だよ。特に芝や速いサーフェスで、彼の左利きのサービスは非常に有効だ。彼はどんなところにもショットを打てるし、ツアーで最高のサーバーの一人であることは間違いないと思う。彼が波に乗っていて、サービスの調子が良いと感じている時はどんなサーフェスでも誰に対しても武器になる」と対戦相手のシャポバロフを称賛した。

 大会3連覇を懸け、決勝では第7シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア/9位)と対戦するジョコビッチ。強烈なサービスとストロークを持つ相手なだけに、グラスコートでは難しい戦いを強いられることも予想されるが、インタビューの最後には「一試合ごとに自分の能力を最大限に発揮して、何が起こるかを考えている。諦めるという選択肢は決してない」と次戦への前向きなコメントを残した。

 男子テニスでは誰一人として成し遂げたことのないゴールデンスラムの偉業達成へ向け、何としても優勝で大会を締めくくりたいところだ。

文●中村光佑

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