専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
海外テニス

「今の目標はプレーし続けること」フェデラー、聖地で19年ぶりのストレート負けにも心は折れず<SMASH>

中村光佑

2021.07.08

フルカチュ(左)の勢いを止められず、ベスト8で姿を消したフェデラー(右)。往時との違いを認めつつも、現役続行へ意欲を見せた。(C)Getty Images

フルカチュ(左)の勢いを止められず、ベスト8で姿を消したフェデラー(右)。往時との違いを認めつつも、現役続行へ意欲を見せた。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「ウインブルドン」(6月28日~7月11日/イギリス:ロンドン/グラスコート/グランドスラム)は現地7月7日に男子シングルス準々決勝を実施。第6シードのロジャー・フェデラー(スイス/8位)は第14シードのフベルト・フルカチュ(ポーランド/18位)に3-6、6(4)-7、0-6のストレートで敗れ、同大会14度目のベスト4進出を逃した。

 グランドスラム最年長優勝の期待も高まっていた39歳のフェデラーだが、試合序盤からアンフォーストエラーを重ね、第7ゲームで先にブレークされて第1セットを落とす。タイブレークへともつれ込んだ第2セットも奪われると、迎えた第3セットは勢いに乗るフルカチュに圧倒され、まさかの0-6で試合終了となった。

 ウインブルドンでは2002年以来となるストレート負けを喫し、大会9度目の優勝を逃したフェデラーは、試合後の記者会見で「10年、15年、20年前にはとてもシンプルで普通にできていたことが、今では自然にできなくなってしまっている。『これをやるべきだ、あれをやるべきだ』と自分に言い聞かせるために、常に精神的に余分な努力をしなければならない。コート上では色々なアイデアを持っているのに、自分のやりたいことができないこともある」と、大会開幕前から抱えていた苦悩を明かした。
 
 また、「最高のレベルで競争力を高めるためには、もっと良いプレーヤーになる必要がある。それは(最初から)わかっていたんだ」とも語り、試合数を重ねる中でも自身のパフォーマンスに納得できていない部分が多かったという。

 それでも会見の最後には「ここまで来られたこと、そして全ての経験を経て、今の自分のレベルでウインブルドンに出場できたことをとてもうれしく思う」と満足気に今大会を振り返った上で、現役続行へ前向きな言葉を残した。

「何が良かったのか、何が悪かったのか、身体はどうか、ヒザはどうか、心はどうか、じっくりと話し合わなければならないが、もちろん、今の目標はプレーし続けることだ。過去数週間、数か月の間に起こった多くの出来事については、非常に満足しているし、またすぐに元気になると思う」

 今年で40歳を迎えるとはいえ、世界中のテニスファンはまだまだフェデラーの芸術的なテニスを楽しみたいと思っているはずだ。「東京五輪に出場するかはわからない」とも語り、今後の予定は不透明だが、また元気な姿でコートに戻ってくることを祈りたい。

 一方、「芝の帝王」フェデラーを下し、自身初のGSベスト4入りを果たしたフルカチュは「ロジャーに勝ったことを実感しながらコートを歩くのは、夢のような時間だった。特に芝のウインブルドンではなおさらそう思う。観客も一緒にいて、特別な気分だったよ」と感慨深げに喜びを表現した。準決勝では第7シードのマテオ・ベレッティーニ(イタリア/9位)と対戦する。

文●中村光佑

【PHOTO】史上最強の王者!フェデラーのウインブルドン2019を振り返る!
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号