海外テニス

チチパスがジョコビッチからのレースランク1位奪取に自信。後半戦で「再びリードすることができるだろう」<SMASH>

中村光佑

2021.07.15

全仏決勝ではジョコビッチ(右)に逆転負けし、レースランク1位の座も明け渡したチチパス(左)。その後調子を崩したが、ハードコートシーズンで再逆転を狙う。(C)Getty Images

 男子テニス世界ランク4位のステファノス・チチパス(ギリシャ)にとっては、同1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)の存在が自身のモチベーション維持につながっているようだ。

 今年6月に行なわれた全仏オープンで初のグランドスラム決勝進出を果たした22歳のチチパスは、優勝を懸けた一戦でジョコビッチと対戦。2セットアップと先にリードを奪いながらも、4時間11分の激闘の末に逆転負けを喫したが、アグレッシブなプレーで世界王者を追い詰めた姿はテニス界に衝撃を与えた。

 だが、全仏オープン閉幕から間もなくして迎えたウインブルドンでは、活躍が見込まれていた中、ノーシードのフランシス・ティアフォー(アメリカ/52位)に屈してまさかの初戦敗退。一方、同大会で優勝を果たしたジョコビッチはイタリア・トリノで今年11月に開かれる最終戦の出場権をすでに獲得しており、レースランキングでも7170ポイントでトップに立っている。

 全仏前までは1位に位置し、現在は4570ポイントで2位につけているチチパスは、テニスストリーミングサイト「TENNIS TV」のインタビューで「最終戦のランキングについては、今大きなモチベーションになっている。ジョコビッチにとても近いことはわかっているし、(彼を捕まえることは)後半戦でより良いプレーをするための原動力にもなっているんだ」とコメント。
 
 また、「僕の身体が適切な状態である必要がある。そのためには、精神的にも健康でなければならない」としつつ、「(これから)アメリカではハードコートの大会が多く開催されるけど、そこでは自分の中のギャップを埋めることができると思う。おそらく、大量のポイントを稼いで、再びリードすることができるだろう」と今シーズンのさらなる活躍へ前向きな言葉を残した。

 そんなチチパスは今週、ワイルドカード(主催者推薦)で「ハンブルク・ヨーロピアン・オープン」(7月12日~18日/ドイツ:ハンブルク/クレーコート/ATP500)に出場しており、初戦となった2回戦では世界59位のドミニク・コプファー(ドイツ)にストレートで勝利。順当にベスト8へ駒を進め、自身初のATP500でのタイトル獲得へ好スタートを切った。

文●中村光佑

【PHOTO】ジョコビッチ、チチパスら全仏オープン2021で活躍した男子選手たち
 
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【動画】チチパスがジョコビッチを崖っぷちまで追いつめた全仏決勝ハイライト