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海外テニス

15歳以下で日本1位の本田尚也が、プロテニス選手を目指してヨーロッパを拠点にすることを決意<SMASH>

椙田正人

2021.07.21

ドイツを拠点に世界基準の視野でプロを目指す決意をした本田尚也。写真:本人提供

ドイツを拠点に世界基準の視野でプロを目指す決意をした本田尚也。写真:本人提供

 日本テニス協会15歳以下で1位の本田尚也(2021年7月付)が、錦織圭選手のようにプロテニス選手として世界で活躍することを目指し、長期トレーニングを目的としてヨーロッパの地へ足を踏み入れた。まずは、ドイツを拠点に世界最高峰のグランドスラムジュニア大会出場を最初の目標として活動していく。

 本田選手は、「これまでの2回の短期ヨーロッパ遠征を経験したなかで、まだまだ自分のテニススタイルでは世界で通用しない部分を感じました。どこかで、日本国内の結果に満足して知らないうちに限界を作っていたのかもと思い、15歳のうちに世界基準の視野でテニスに思い切り打ち込むことにしました」と決断に至った理由を語った。

 また、決意するには周りのサポートもあったようだ。「今回、時期的に自分の1つの目標でもある全日本ジュニア選手権をパスしてヨーロッパへ行く決断はもちろん簡単ではありませんでした。ですが、両親はもちろん、これまでテニスを始めた時からお世話になっているサトウGTCの皆さんが自分の考えを後押ししてくれて気持ちが固まりました。皆さんには感謝しかありません」と謝辞を述べている。

 最後に、「今後は苦しい時期もあると思いますが、焦らず将来結果を出して恩返しできるよう遠いヨーロッパで常に全力を出し切って戦ってきたいと思います」と、これからの挑戦に向けて力強く誓った。
 
 この決断の裏には、14歳以下の国別対抗戦であるワールドジュニアの出場権を得たにもかかわらず、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で大会が中止となり、世界のレベルを肌で感じる機会を逃したことも影響している。その悔しさが前向きな決断に踏み切るターニングポイントとなった。

 日本では各ショットのバランス取れた高い技術力で戦ってきた本田選手。さらなる技術の研鑽に加え、「技術に頼る」のではなく、テニスの本質ともいえるサーブやフォアハンドで勝負できる「武器」を作っていくことが課題となる。

 今後はアカデミーには基本的には属さず、ドイツを拠点に大会遠征をしていく。目先のポイント獲得にとらわれることなく、クレーコートで戦い切れるトレーニングを行ないながら、ITFジュニア大会や16歳以下テニスヨーロッパ大会に出場していく予定だ。

◆本田尚也(ほんだなおや)
2006年3月15日、栃木県生まれ。175㎝、65㎏、右利き。2018年全国選抜ジュニア12歳以下優勝、19年RSK選抜ジュニア優勝、21年MUFGジュニアベスト4

文●椙田正人(テニスコーチ、ヨーロッパ遠征コーディネーター)

【PHOTO】ヨーロッパテニスアカデミーカップ。試合に打ち込むジュニアたちの勇姿!

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