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錦織圭、王者ジョコビッチの壁越えられず準々決勝で敗退。五輪2大会連続のメダル獲得ならず【東京五輪】

スマッシュ編集部

2021.07.29

やはりジョコビッチの壁は高かった…。(C)Getty Imaes

 東京オリンピックテニス競技(7月24日~8月1日/東京:有明/ハードコート)では7月29日の男子シングルス準々決勝に錦織圭(日清食品/世界ランク69位)が登場。第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/1位)に2-6、0ー6のストレートで敗れ、五輪2大会連続でのメダル獲得を逃した。

 ジョコビッチは言わずもがな近年の男子テニス界で最強と目される男。錦織は彼と過去18度対戦し、今回までで15連敗中。勝つことができたのはわずか2回で、直近の勝利は2014年の全米オープン準決勝にまでさかのぼる。

 これ以上ない強敵を相手に、錦織は第1セットの立ち上がりから積極的にボールを叩いて、ジョコビッチのサービスゲームをデュースに持ち込むなど良い滑り出し。しかし第2ゲームでは、攻めのショットをことごとくジョコビッチに跳ね返されて先にブレークダウンを喫してしまった。

 早めに追いつきたい錦織は、得意とするバックハンドのダウン・ザ・ラインやネット際でのドロップショット、エンドラインいっぱいをえぐるフォアハンドなど、高い攻撃力を見せる。それでも、ここぞと言う場面でサービスエースを叩き込むジョコビッチの手堅いプレーに、挽回のチャンスをつかむことはできず、逆に第8ゲームで2度目のブレークを奪われセットを落とした。
 
 第2セット、ジョコビッチサービスの第1ゲーム。素晴らしいストローク展開でこの日初めてのブレークチャンスを握った錦織だったが、ピンチになると途端に集中力を増すジョコビッチにまたも跳ね返される。

 雄叫びを上げてさらにギアを上げるジョコビッチを相手に、守りに回ってはいけないとリスク覚悟の攻撃を続けるが、崩し切るには至らず。このセットはゲーム獲得も許されないまま、1時間10分で五輪のコートを去ることになった。

 勝利したジョコビッチは、メダル確定をかけた準決勝で第4シードのアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ/同5位)とジェレミー・シャルディー(フランス/同68位)の勝者と対戦する。

 今季のジョコビッチは、開催されたグランドスラム3大会をすべて制し、この東京オリンピック、そして最後のグランドスラムである全米オープンを制すれば、男子テニス史上初めての年間ゴールデンスラムを達成することになる。

 なお、この日は混合ダブルス準々決勝に登場したマクラクラン勉/柴原瑛菜(イカイ・橋本総業)も、アンドレイ・ルブレフ/アナスタシア・パブリチェンコワ(ロシア)に敗れたため、テニス競技の日本勢はこれで全滅となった。

構成●スマッシュ編集部

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