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海外テニス

【次代のエースに学べ】スキー界の逸材がプロテニスへ!19歳シナーが放つ「強じんな下半身を使ったパワフルサービス」<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.08.14

スキーで鍛えられた強じんなヒザの曲げ伸ばしを使って放つシナーの強烈なサービス。写真:真野博正、(C)Getty Images

スキーで鍛えられた強じんなヒザの曲げ伸ばしを使って放つシナーの強烈なサービス。写真:真野博正、(C)Getty Images

 男子テニス界の勢力図が「ニュージェネレーション」と呼ばれる20歳前後の若い選手によって塗り替えられようとしている。果たして彼らはどんなプレーを武器とするのか…。

 テニス専門誌『スマッシュ』では、今季撮影の最新連続写真をベースに「次代のエースに学べ!世界最先端のサービス」と銘打ち、元デ杯日本代表の辻野隆三氏にそのテクニックを分析してもらった。今回は今季すでに2勝をマークしているイタリアの19歳、ヤニック・シナー(世界ランク/15位)の登場だ。

  ◆    ◆    ◆     

 全豪前哨戦で今季初タイトルを獲得すると、4月のマイアミ・マスターズで準優勝。さらに8月のワシントンで2勝目をマークした。ティーンエイジャーの中では断トツの存在感を放っているのがシナーだ。

 テニスを本格的に始めたのは13歳からで、それ以前はスキーのジュニア王者として将来を嘱望された存在だった。また、テニスへと舵取りした当初から、「プロになること以外に興味はない」とジュニア大会ではなく、一般大会へ挑戦し続けていたという。

 世界に名前が知られたのは、21歳以下の有望株が集う『ネクストジェン』の2019年大会に優勝した時(当時18歳)だが、指導者の間ではその前から「シナーという、すごい選手がいる」と評判だった。

 シナーの魅力といえばミスが少ないところだ。サービスはパワフルかつ安定しており、ストロークでも常に良いボールを打っている。また、若い選手にありがちな感情の起伏が少なく、落ち着いてプレーできているところも強みといえる。
 
 そんな彼のサービスで注目したいのがトロフィーポーズだ。この時に彼は椅子に腰かけるように深くヒザを曲げている。このヒザの曲げ伸ばしで生まれるパワーをボールにぶつけていくが、ここまで深くヒザを曲げられる選手は少ないだろう。

 なぜならこの低い位置から上に向かってジャンプ仕切れないからだ。シナーがこれを実現できるのは幼い頃からスキーをしていたためだろう。下半身が鍛えられるスキーは、ジョコビッチやフェデラーも経験者で、シナーはそうしたテニス以外の部分で培った才能もプレーに生かして結果へと導いている。

【プロフィール】
ヤニック・シナー
2001年8月16日生まれ。イタリア出身。身長188cm。右利き。バックハンドは両手。13歳から本格的にテニスに取り組むが、それ以前はスキー界の逸材として名を馳せていた。2018年にプロ転向。翌19年には21歳以下のトップ選手が集うネクストジェンに主催者推薦で出場して18歳で優勝。今年は全豪前哨戦で1勝すると、4月のマイアミで準優勝し、8月のワシントンで2勝目をゲット。次代を担う逸材として注目を集めている。自己最高ランキング15位(21年8月9日付)

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年6月号より再編集

【PHOTO】強じんなヒザの曲げ伸ばしを使う、19歳シナーのサービス連続写真!

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