海外テニス

故障離脱中のフェデラー、全米オープン欠場か?「医師やチームと会ってから次のことを考えようと思う」<SMASH>

中村光佑

2021.08.14

「ウインブルドン以降は何もしていない」という状態でフェデラーは、果たして8月30日に開幕する全米に間に合うのか…。(C)Getty Images

 右ヒザのケガで戦列を離れている男子テニス界の大スター、ロジャー・フェデラー(世界9位/スイス)が母国の日刊紙『Blick』のインタビューに応じ、今後の予定について「全てがまだ少し不確かな状態だ」と明かした。

 2度の右ヒザ手術を経て、今年3月のカタール・オープンで約14カ月ぶりにツアー復帰を果たしたフェデラー。6月の全仏オープンではベスト16、7月のウインブルドンでは思うようなプレーができない中でベスト8入りを果たし、完全復活への歩みを進めていた。

 だが、出場を予定していた東京オリンピックは「グラス(芝)コートシーズン中に残念ながらヒザの故障が再発してしまった」として、7月中旬に自身のSNSで欠場を発表。現在開催中のトロントと次週のシンシナティも出場を取りやめ、右ヒザの回復を優先させていた。

 インタビューの中でフェデラーは「大丈夫だよ、休暇中だったからね」としつつも、「右ヒザのせいでしばらく何もしていないんだ。まずウインブルドンの後に全てをリセットしなければならなかった。今週、医師やチームと会って、それから次のことを考えようと思っている」とコメント。どうやら8月30日から開幕する全米オープンへの出場も不透明になっているようだ。
 
 また、8月8日に40歳の誕生日を迎えたフェデラーは若かりし頃の自分を引き合いに、以前から抱えているジレンマを次のように説明した。

「昔は違っていたんだ。質問はシンプルだった。僕のランキングは? 次の大会は? というものばかりだったが、今日では、より複雑になっている。自分は何を達成できるのか? 僕の目標は何なのか? 家族とどう折り合いをつけたらいいのか? チームの他のメンバーは何と言っているのか? 最近は以前よりも色んなことにずっと気を配っているし、態度も変わっている。10年前とは本当にまったく違うんだ。以前は背中や腰を痛めても、2日後には全てが回復していたが、今は2週間かかるかもしれない」

 それでも最後にはツアー復帰へ向け、フェデラーらしい前向きな言葉でインタビューを締めくくった。

「僕は物静かな男で、ユーモアを持って物事を受け止めている。僕はどんな状況でも、常に良いものを見ている。今が良くなくても、必ず良くなると思っているし、もっと悪くなる可能性もある。僕はとても元気だし、家族も健康だ。私は40歳になったばかりだけど、まだまだ現役でいる。僕は自分自身に完全に平穏を感じているし、きっとたくさんの美しいものが僕の元にやってくるだろう」

 おそらく世界中のテニスファンがレジェンドの完全復活を待ち望んでいることは間違いないだろう。だが、まずは右ヒザの状態を考慮した上で無理なく調整を進めてもらいたいところだ。

文●中村光佑

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