女子テニスツアー「ウェスタン&サザン・オープン」(8月16日~22日/アメリカ:シンシナティ/ハードコート/WTA1000)に出場する世界ランク2位の大坂なおみが大会前の公式オンライン記者会見に出席。質疑の途中で涙を流し、約4分間の会見中断をはさむ一幕があった。
今年6月に行なわれた全仏オープンの開幕直前に突如「記者会見ボイコット」を宣言し、同大会を棄権した大坂。その際に2018年の全米オープン優勝後から長らく精神的なストレスに悩まされていたことを明かしていたが、一連の騒動はテニス界を揺るがす前代未聞の事態に発展した。
その後はツアーを離脱し、7月のウインブルドンも欠場。今夏の東京オリンピックで復帰を果たしたものの、3回戦でマルケタ・ボンドルソバ(チェコ)にストレート負けを喫し、メダル獲得を逃した。
シンシナティで約3か月ぶりの記者会見に臨んだ大坂は、初めに「東京五輪では『あなたがメンタルヘルスについて打ち明けたことはとても素晴らしいことだった』と声をかけられて驚いた」とコメント。各国のアスリートから温かい歓迎の言葉を受け、そのことをうれしく思っていたという。
ところが、ある記者が「あなた(大坂)は、私たち(メディア)と接すること、特にこのような形式(記者会見)で接することが好きではないようだが、あなたにはメディアプラットフォームを持つことで得られる多くの外部利益がある。ソーシャルメディアを利用して自分の価値を高めることと、精神的な健康を維持することのバランスをどのように取っているのか」と質問すると、会見場の空気は一変。
「ごめんなさい、ちょっと答えを考えていたの……」と数秒間黙り込む場面が見られたが、大坂は「私は自分のためにしか話せない。私がテニスプレーヤーであるからこそ、多くの人が私に興味を持ってくれているのだと思う」などと言葉を振り絞った。
メディアとの関係の築き方について問い詰められたことへの動揺があったのか、別の記者が質問を始めたところで大坂は涙を流し、会見は一時中断。質疑が再開されると、最後には英語・日本語で行なわれた計4つの質問に答えた。
まだメンタルのコントロールが思うようにいかない部分もあるのだろう。それだけに大坂のコンディションに関する懸念の声も続々と上がっている。無理は禁物だが、今大会でも持ち前のパワフルなプレーでファンを楽しませてもらいたい。
文●中村光佑
【PHOTO】東京五輪での大坂なおみの厳選ショット!
今年6月に行なわれた全仏オープンの開幕直前に突如「記者会見ボイコット」を宣言し、同大会を棄権した大坂。その際に2018年の全米オープン優勝後から長らく精神的なストレスに悩まされていたことを明かしていたが、一連の騒動はテニス界を揺るがす前代未聞の事態に発展した。
その後はツアーを離脱し、7月のウインブルドンも欠場。今夏の東京オリンピックで復帰を果たしたものの、3回戦でマルケタ・ボンドルソバ(チェコ)にストレート負けを喫し、メダル獲得を逃した。
シンシナティで約3か月ぶりの記者会見に臨んだ大坂は、初めに「東京五輪では『あなたがメンタルヘルスについて打ち明けたことはとても素晴らしいことだった』と声をかけられて驚いた」とコメント。各国のアスリートから温かい歓迎の言葉を受け、そのことをうれしく思っていたという。
ところが、ある記者が「あなた(大坂)は、私たち(メディア)と接すること、特にこのような形式(記者会見)で接することが好きではないようだが、あなたにはメディアプラットフォームを持つことで得られる多くの外部利益がある。ソーシャルメディアを利用して自分の価値を高めることと、精神的な健康を維持することのバランスをどのように取っているのか」と質問すると、会見場の空気は一変。
「ごめんなさい、ちょっと答えを考えていたの……」と数秒間黙り込む場面が見られたが、大坂は「私は自分のためにしか話せない。私がテニスプレーヤーであるからこそ、多くの人が私に興味を持ってくれているのだと思う」などと言葉を振り絞った。
メディアとの関係の築き方について問い詰められたことへの動揺があったのか、別の記者が質問を始めたところで大坂は涙を流し、会見は一時中断。質疑が再開されると、最後には英語・日本語で行なわれた計4つの質問に答えた。
まだメンタルのコントロールが思うようにいかない部分もあるのだろう。それだけに大坂のコンディションに関する懸念の声も続々と上がっている。無理は禁物だが、今大会でも持ち前のパワフルなプレーでファンを楽しませてもらいたい。
文●中村光佑
【PHOTO】東京五輪での大坂なおみの厳選ショット!