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海外テニス

【次代のエースに学べ】五輪テニスで金メダル獲得のズベレフが放つ「極限まで右手を脱力させる」唯一無二のサービス<SMASH>

スマッシュ編集部

2021.08.28

トスを上げた後も右手を下げたままでパワーを蓄積しているズベレフ独特のサービスフォーム。写真:真野博正、(C)Getty Images

トスを上げた後も右手を下げたままでパワーを蓄積しているズベレフ独特のサービスフォーム。写真:真野博正、(C)Getty Images

 男子テニス界の勢力図が「ニュージェネレーション」と呼ばれる20代前半の若い選手によって塗り替えられようとしている。果たして彼らはどんなプレーを武器とするのか…。

 テニス専門誌『スマッシュ』では、「次代のエースに学べ!世界最先端のサービス」と銘打ち、元デ杯日本代表の辻野隆三氏にそのテクニックを分析してもらった。今回は東京オリンピックの金メダリストで、ツアーではマスターズ2勝を含む今季3勝をマークしているドイツの24歳、アレクサンダー・ズベレフ(世界ランク/4位)の登場だ。

  ◆    ◆    ◆ 
    
 2014年のハンブルグで当時17歳だったズベレフが、大人に混じって準決勝進出を果たしたのは衝撃的だった。身体を効率よく使ってプレーする姿は現在も変わらず、ツアーではすでに25回決勝へ進出し、今年8月のシンシナティを含め17個のタイトルを手にしている。 

 グランドスラムで結果を残すことが課題と言われているが、それも昨年の全米で決勝に進むことができたことで吹っ切れたように思う。もちろん、今年の全米も優勝候補の一人だ。そんなズベレフが放つサービスの動きを見ていこう。

 注目すべきはトロフィーポーズだ。すでにトスが上がっているのに、右手を下げたままテイクバックをしていない。こうした独特のタイミングで打てるのはズベレフだけだ。普通ならスイングが途中で止まってしまうため、振り遅れてしまうだろう。だがズベレフは、トスを高く上げてラケットは下げたまま十分に脱力させ、そこから一気にインパクトに向けて蓄積したパワーを爆発させ、時速220キロ近い弾丸サービスを生み出すのだ。
 
 他のプレーヤーにはあまり見られないこうした独特の間合いは、相手にとってリターンのタイミングが取りにくかったり、コースを読みにくいという部分があると思われる。

 ズベレフならではのタイミングで打たれる弾丸サービス。ただし、一般の方がそのままマネすると振り遅れの原因になるので注意しよう。

【プロフィール】
アレクサンダー・ズベレフ
1997年4月20日生まれ。ドイツ出身。身長198cm。右利き。バックハンドは両手。父はロシア出身の元選手で、兄も元25位のプロ選手。2013年にプロ転向。長身を生かしたダイナミックなプレーで16年にツアー初Vを飾ると、今年8月のシンシナティ・マスターズを含む17勝を記録。20年全米で準優勝。今年の東京五輪ではドイツ人男子として初めてシングルスで金メダルを獲得した。世界ランキング4位(21年8月23日付)

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2021年6月号より再編集

【PHOTO】右手を脱力させた独特の間合いで放つズベレフの弾丸サービス連続写真!
 

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