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【テニスギア講座】シューズのサイズは「長さ」だけじゃない。「ウィズ=足囲」の大切さを知ろう<SMASH>

松尾高司

2021.08.29

テニスシューズは長さだけでなく、「ウィズ」にも気を配りたい。プロのように自分の足に合わせてシューズを作れない一般愛好家は、購入時に必ず試履きして確認しよう。写真:THE DIGEST写真部

 皆さんも自分のシューズサイズをご存知かと思いますが、それは「足長」、つま先からカカトまでの長さのサイズですよね。でもサイズはそれだけではないのです。テニスシューズには2種類のサイズがあります。

◆一般的な「長さサイズ」  
◆足幅対応の「ウィズサイズ」

 競技系はフィットタイプがいいとか、長時間快適にプレーするにはワイドタイプがいいとか聞いたことがあると思いますが、好みによる選び方だけでなく、個々人の足幅に適したサイズ設定があり、それを「ウィズ(足囲)」サイズと呼びます。

 親指の付け根にある球状の骨(母子球)と、小指の付け根にある外側へちょっと膨らんだ部分(小指球)を結んだ線の外周を測った長さが「ウィズ」です。「ウィズ」は「足長」に応じた基準が設けられ、細身から順にA→B→C→D→E→2E→3E→4E→F→Gと6ミリ刻みに10段階に分けられています。

 日本のテニスシューズ市場で作られているのは、2E~4Eの3タイプで、今日の競技者向けモデルは主に2E、ワイドを謳うものは4Eです。シューズを選ぶ際は、まず2E~4Eの3タイプのうち、どれが自分に適しているかを絞り込み、それから長さサイズを指定して、店員さんに試履き用を出してもらうのが、ベストを早く見つけるコツです。
 

 では、ウィズと足長が同じであれば、どのメーカーでも同じ足入れになるかというと、それは違います。「このメーカーならば、自分には○センチがベストフィット」といった、何となくの基準がないとは言えませんが、基本的には「サイズ感、足入れ感は、モデルごとに全て違う」と思った方がいいです。

 シューズを作る時、基準となるのが「ラスト」と呼ばれる木型(現代では樹脂製)原型で、これにアッパーをかぶせて成型し、ソールを接着します。そのラストはメーカー内で、モデル間で共用する場合もあれば、まるで違う場合もあります。もちろん、ウィズが違えばラストも違います。

 ですから、テニスシューズを選ぶ時は必ず「試履き」し、サイズ感、足入れ感を確認してから購入してください。確認せずに買ってしまい、履いてみたら合わなかった……と後悔するのはあなたです。痛いけど我慢して履くというのは、絶対に避けねばなりませんよ。

文●松尾高司(KAI project)
※『スマッシュ』2019年7月号より抜粋・再編集

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