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ジョコビッチがズベレフに勝利し東京五輪の雪辱を晴らす。年間グランドスラムに向けて、あと1勝<SMASH >

スマッシュ編集部

2021.09.11

強敵ズベレフを退けて、全米OP決勝に駒を進めたジョコビッチ。(C)Getty Images

 テニスの四大大会「全米オープン」(8月30日~9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート/グランドスラム)は、現地9月10日に男子シングルス準決勝を実施。世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、世界4位のアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)に4-6、6-2、6-4、4-6、6-2で勝利し、東京五輪の雪辱を晴らした。

 2人の戦績はジョコビッチの6勝3敗。直近は記憶に新しい東京五輪の準決勝で、ズベレフが逆転勝利している。ズベレフは現在公式戦16連勝しており、今回大会はまだ1セットしか落としていない好調さだ。試合前には東京五輪での勝利について、「勝てて自信が付いた。自信は大きなカギになる」と語っている。

 ジョコビッチは「年間ゴールデンスラム」をズベレフに阻まれただけに、現在最も警戒している選手との対戦となる。今大会には「年間グランドスラム」がかかっており本人も気合十分。「僕はベスト・オブ・ファイブセットの試合が好きなんだ。試合が長引くほど、他のどの相手よりもチャンスがある」と、5セットの試合に自信をみせる。ズベレフとの5セットの大会の戦績は2戦2勝である。

 注目の一戦はナイトセッションに組まれた。2人とも静かな立ち上がりで自分のサービスゲームを確実にキープしていく。ズベレフがジョコビッチに対抗できる理由は、セカンドサービスに不安はあるものの強力なファーストサービスがあること。そして安定したストロークにエースを取れるショットもある点だ。

 先にチャンスをつかんだのはズベレフ。第9ゲームでラリー戦を制してブレークし、5-4リード。第1セットを6-4で奪った。ウイナーの数は8本で同じ。アンフォースドエラーがジョコビッチの11本に対して6本と抑えられた、ミスの少なさがセットをもたらした。セットを取った瞬間のズベレフに大きなリアクションはなく、試合はここからだという雰囲気が漂っている。
 
 第2セット第2ゲームで突如ズベレフのサービスが崩れてブレークされる。その影響でリズムが乱れてミスも重なり、2-6でセットを落とした。

 試合の流れをつかむために重要な第3セット。ラリーを掌握しきれないジョコビッチは、サーブ&ボレーなどを加えて短くポイントを取っていく。拮抗した状態が続く中、ジョコビッチが5-4のゲームでスライスを混ぜながらラリーを展開しセットポイントを3本握る。53本のロングラリーはズベレフに奪われるが、6-4でジョコビッチがセットを奪取した。

 ラリー戦が増えてきた第4セット。1-1のジョコビッチのサービスゲームで、ズベレフの気合いの守備力の前にブレークを許す。再びストロークの精度が戻ってきたズベレフからブレークバックできず、4-6でセットを失った。

 期待通りの好試合となりファイナルセットへ突入。ズベレフはファーストサービスの確率が悪く、セカンドサービスに苦戦し思い切った攻撃ができない。その状況を冷静に見るジョコビッチは、ブレークポイントでしつこくコートに返球し、ネット際にドロップショットを落としてパッシングを放ち、30本のラリーを制して2-0リード。プレーに余裕が出てきたジョコビッチが主導権を握り、フルセットで強敵ズベレフを退けた。

 男子決勝のカードは、第1シードのジョコビッチと第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア/2位)というトップ対決になった。ジョコビッチは1969年のロッド・レーバー氏以来となる「年間グランドスラム」に挑戦する試合となる。

構成●スマッシュ編集部

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