専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
国内テニス

徳田廉大は好発進するも、小堀桃子がまさかの初戦敗退。全日本3日目は男女第1シードで明暗

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2019.10.28

左から徳田廉大、小堀桃子、田中優季。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

左から徳田廉大、小堀桃子、田中優季。写真:山崎賢人(THE DIGEST写真部)

「三菱 全日本テニス選手権94th」は10月28日(月)、東京・有明コロシアム/有明テニスの森公園コートにて、男女シングルス2回戦などが行なわれた。

 男子は今日からシード勢が登場し、第1シードの徳田廉大(イカイ)、第3シードの清水悠太(三菱電機)、第5シードの高橋悠介(三菱電機)らが順当に初戦を突破。初優勝を狙う徳田は「去年は決勝に行った瞬間、ホッとした部分があった。今年は一戦一戦しっかりやりたい」と、気を引き締めて大会に臨んでいる。

 17年のチャンピオン、高橋は2年ぶりの出場。「最近、海外でいい結果を残せていないので、プレッシャーのかかる全日本に出て、勝負に勝ちにいく気持ちを見つめ直す」と、今大会への決意を語った。

 女子は第1シードの小堀桃子(橋本総業HD)が初戦で敗れる波乱が起こった。全日本特有の緊張感を感じたという小堀は、「もっとアグレッシブにプレーできたら良かったが、受け身になってしまった」と悔やむ。山口芽生(橋本総業HD)の強打をまともに浴びる形になり、6-2、6-7、4-6で逆転負けした。

 その他の上位陣は、第3シードの内藤祐希(亀田製菓)、第5シードの本玉真唯(島津製作所)、第7シードの井上雅(テニスラウンジ)らが3回戦に進出。プロ1年目で急成長中の内藤は「優勝しか狙っていない。今年優勝して(全日本を)卒業したい」と並々ならぬ闘志を見せていた。
◆今日の注目選手=田中優季(安藤証券)

 田中優季にとって、これが現役最後の全日本である。早稲田大学を卒業後、プロとして8年間プレーした。ただ、最初の5年間は所属先の仕事と掛け持ちだったため、純粋にプロ活動に専念できたのは、安藤証券と契約してからの3年間だけだ。

「全ての時間をテニスに費やせて、コーチやトレーナーも付けて、プロとしてトライできる環境を作ってもらえた」と田中は感謝する。

 そうして到達した最高ランキングは2017年9月の308位。「その(環境の)中でトップに行けないのだから、続けるのは厳しいんじゃないかと……」。2年前に負った右足の故障の影響もあり、田中はラケットを置く決意をした。

 身長160センチと小柄な田中は、パワーがあるわけではない。「相手が何を嫌がっているか読み取るところは自信がある」と自ら評する能力を生かして、回転量の多いスピンと、厚い当たりのスピンドライブを効果的に使い分けられるのが長所だ。今日の初戦では、高校と大学の後輩である吉冨愛子(アクトス)を相手に、お手本を示すかのように緩急を織り交ぜたプレーを見せ、6-1、6-4で勝利した。

 全日本での最高成績はベスト4が2回。最後の目標は優勝かと尋ねると、首を振った。
「今までは絶対優勝だったけど、今回は一戦一戦かみしめながらやりたい。力を出し切ることが目標です」

 彼女のプレーが見られるのは、今大会と来月の安藤証券オープンが最後だ。我々もしっかりと目に焼き付けたい。

取材・文● 渡辺隆康(スマッシュ編集部)

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号