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【伊達公子】相手がコートを離れた時はコートで待つか一緒に行くか。トイレットブレークの時間制限は難しい?<SMASH>

伊達公子

2021.10.08

試合の流れが途切れた時は、今までのプレーを整理する時間にしていたという伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 テニスの試合でトイレットブレークやメディカルタイムアウトを取ることは、ルール上認められています。リセットするために取ることがほとんどなので、それがいいか、悪いかは人それぞれの判断になります。では、相手が取った時、どのように対処するといいでしょうか。

 トイレットブレークの場合、私は一緒に行くようにしていました。最初はコートで待っていましたが、身体が冷えて明らかにパフォーマンスが落ちるので何かしている方が良いという考えです。中継がない大会だと、待っている間にコートを走ったりもしました。あとは、再開の少し前になるとサービスを打ち始める選手もいます。身体を冷まさないことと、スイッチを入れるという意図もあるでしょう。

 相手が疑わしいメディカルタイムアウトを取った時は、相手のことは見ないようにします。影響を受けないように自分のことに専念することです。こういう時は、パフォーマンスが落ちる上に、試合の流れも止まります。だから、今までの内容で、何が良くて何が良くなかったのかを考えて整理する時間にしていました。
 
 女子ツアーの場合は、相手がトイレットブレークを取っている間は、オンコートコーチングがカウントされずにコーチを呼べます(※本来は1セットに1回)。それを活用している選手もいます。ルールで認められている以上、取る選手はいなくならないので、対処法を考えておく方が良いでしょう。

 男子プロテニス協会は、来シーズンに向けてルールの改正を考えているようです。もしもトイレットブレークに時間を設定するとなると、トイレが近くにないコートの場合はどうなるのかなどの疑問が浮上します。全てのコートの横にトイレを設置するのでしょうか?

 あと、自分の経験から言えば、すごく汗をかいた時、ウェアが身体にへばりついて脱ぐのに時間がかかります。付き添って来る線審の方に脱ぐのを手伝ってもらったこともありますし、疲労がある中で変なところに力を入れるのでケイレンしてしまったこともありました。だから、時間制限は難しいという気がします。自分では改善策が思い付かないぶん、どんな新しいアイデアが出てくるのか、楽しみにしたいと思います。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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