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メドベージェフがファイナルズ初出場のシフィオンテクに自虐ネタ満載のアドバイス「第3セット5-1で集中力を切らさないこと」<SMASH>

中村光佑

2021.10.28

最終戦Vの先輩メドベージェフ(左)から初出場のシフィオンテク(右)にアドバイス。ユーモラスな自虐ネタが随所に見られた。(C)Getty Images

 男子テニスのダニール・メドベージェフ(ロシア/世界ランク2位)と女子テニスのイガ・シフィオンテク(ポーランド/11位)が、契約するラケットブランド「テクニファイバー」が配信したインスタグラムのライブに出演。その中でメドベージェフが、WTAファイナルズ初出場を決めたシフィオンテクへあるアドバイスを送った。

 シフィオンテクは2020年の全仏オープンでグランドスラム初制覇を果たし、今季もイタリア国際で優勝を飾るなど、安定した成績を残している。これにより彼女は11月にメキシコのグアダラハラで開かれるWTAファイナルズの出場権を獲得した。

 一方のメドベージェフは今年9月の全米オープンで世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)から衝撃のストレート勝利を収めてGS初制覇。3年連続となる最終戦出場を決め、今年の大会にはディフェンディングチャンピオンとして臨むこととなっている。

 そんなメドベージェフは2019年に初めて出場したATPファイナルズで苦い経験を味わっている。ラウンドロビン(予選)2戦目でラファエル・ナダル(スペイン)と対戦したメドベージェフは1セットオールで迎えた第3セットで5-1と大きくリードを広げ、第7ゲームのナダルのサービスでマッチポイントを握った。だがこれを逃すと、そこからナダルが怒涛の反撃を見せ、試合はタイブレークに突入。最終的にメドベージェフは勝利目前から大逆転負けを喫し、ラウンドロビンでの敗退にもつながってしまった。
 
 それでもその悔しさを糧にメドベージェフは2020年大会のラウンドロビンでジョコビッチ、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)、ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を立て続けにストレートで撃破。準決勝でナダルに雪辱を果たすと、決勝ではドミニク・ティーム(オーストリア)を逆転で下し、自身初となる最終戦タイトル獲得を達成した。

 ライブ配信ではシフィオンテクがメドベージェフに「WTAファイナルズで勝つためのアドバイスはある?」と質問。これに対してメドベージェフはナダルとの試合での大逆転負けを踏まえ、「第3セットで5-1になっても、マッチポイントが来たとしても、集中力を切らさないこと、これが一番のアドバイスだね」と少々自嘲気味に回答した。

 続けてメドベージェフは「試合を(なるべく)早く終わらせるようにして、試合中にチームに話しかけたり、感情を表に出したりしないようにしてね」とも助言。彼らしいユーモラスなコメントが随所に見られた。

 ディフェンディングチャンピオンから直々に貴重なアドバイスを受け取ったシフィオンテクが、初の最終戦の舞台でどのような活躍を見せてくれるか。また、メドベージェフの大会連覇への挑戦にも注目したいところだ。

文●中村光佑

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