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ジョコビッチが引退後、指導者への転身を希望「知識は使わないと意味がなくなってしまう」<SMASH>

中村光佑

2021.11.10

パリ・マスターズで6度目のタイトルを手にしたジョコビッチ。その優勝会見で、将来のコーチ転身の希望を語った。(C)Getty Images

 男子テニス世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が現役引退後に指導者の道を歩む意向を示した。

 現地11月7日に行なわれた「ロレックス・パリ・マスターズ」のシングルス決勝で世界2位のダニール・メドベージェフ(ロシア)を逆転で下し、同大会6度目の優勝、マスターズ最多記録の通算37勝目を挙げたジョコビッチ。また、ピート・サンプラスを抜いて男子テニス史上初となる7度目の年間最終ランキング1位も決め、有終の美を飾った。

 そんな彼はキャリアの終焉後に「コーチになることを考えている」という。試合後の記者会見で第2の人生のプランについて言及したジョコビッチは母語のセルビア語で「プレーヤーとして学んだことを将来、他の選手に伝えていきたい。コーチングの仕事をやってみたいんだ」とコメント。

 その理由について「僕はこのスポーツ(テニス)を心から愛している。自分が勝っている時だけではなく、子どもたちと一緒にコートに立つこと、ライブやテレビで観戦すること、そして自分の経験や知識をこれから活躍するであろう選手たちに伝えようとすることが大好きなんだ」と説明した。

 ちなみにジョコビッチは故郷のベオグラード(セルビアの首都)で合計14面のコートを有するテニスアカデミー「ノバク・テニスセンター」を運営しており、同国の多くのプレーヤーがトレーニングの場として使用している。
 
 今年だけで全豪・全仏・ウインブルドンを立て続けに制したジョコビッチはグランドスラムで20度の優勝を誇り、世界1位在位期間でも346週というとてつもない記録を樹立している。34歳の世界王者は、数々の輝かしい功績を残してきた秘訣を次代に伝えていきたいと考えているようだ。

「知識は使わないと意味がなくなってしまうものだ。確かに僕はそのような成績を残して恩恵を受けているけど、その後、僕はこれまでに得てきた知識をどうすればいいのか?僕の歩んできたキャリア、テニスの哲学、テニスへのアプローチ、仕事の方法論など、他の人にも知ってもらいたいんだ」

 そのジョコビッチは11月14日から開かれるATPファイナルズ(イタリア・トリノ)に出場予定。2015年大会以来、優勝から遠ざかっている最終戦で、今年こそは頂点に返り咲く姿を見せてもらいたい。

文●中村光佑

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【動画】ジョコビッチがメドベージェフを下したパリ・マスターズ決勝のハイライト