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【伊達公子】1年を見直す時間にするとオフシーズンの意味が見えてくる。長くないテニス人生を有意義に<SMASH>

伊達公子

2021.12.03

自分のタイプを理解してオフシーズンのスケジュールを立てることが大事だと言う伊達公子さん。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

 女子テニスツアーが終了し、男子テニスもデ杯を残すのみとなりました。テニス選手は今短いオフシーズンを満喫していると思います。

 オフシーズンにすることは、リフレッシュして1年の疲れを癒し、気持ちの切り替えをして、次のシーズンに向けての準備です。他にはスポンサーさん関係の挨拶や撮影などですね。とくに撮影はシーズン中になかなか予定が組めないので、確実にできるオフシーズンに行なうことが多くなります。

 リフレッシュも必要です。私はスキーに行ったり、1人旅をしたこともありました。オフシーズンの旅は、ツアーの遠征とは違います(笑)。メンタル面の違いが一番大きいですね。

 この期間はラケットも握らず、完全にテニスから離れます。海外の選手はこのメリハリがうまく、しっかりとオフを取る話を聞きます。私のセカンドキャリアの場合を平均的に考えると、リフレッシュの期間はだいたい2週間ぐらいだったと思います。

 来シーズンに向けてオフに行なうべきことのプライオリティーは、選手にもよりますが、私の場合は、1にトレーニング、2にスポンサーさんとの仕事、3にオンコート練習、でした。
 
 オンコートの練習はツアー中にも当然行ないますし、私は1、2週間打たなくても大丈夫なタイプなので、身体作りのトレーニングを重視していました。毎日打たなくては感覚がなくなる人、ケガが多い人など、タイプによって、この比重も変わるでしょう。自分がどのタイプかを理解して、オフシーズンの計画を立てることも大事です。

 オフシーズンは次のシーズンに入るための準備に使わなくてはいけません。自分なりに納得のいくシーズン(オン)があるから、オフが取れる。そこで準備してシーズン(オン)に入るという繰り返しです。

 どういう時間の過ごし方をすると、良いモチベーションを持ってシーズンインできるかということを考えてスケジュールを立てていくことです。

 オフの時間は1年を見つめ直す時間にするといいでしょう。そういう捉え方をしないとオフシーズンの意味がわかりづらくなりがちです。テニス人生は長く感じますが、結局それほど長いわけではありません。

 何が達成できて、何が達成できなかったのか。何が足りなくて結果が出ないのかを考えること。何となく過ごして、次のシーズンも変化がなく続いていくのはもったいない。若い選手ほど、1年を見直す時間だと考えることです。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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