現在開催中の女子テニスツアー「オープン・アンジェ・アリーナ・ロワール」（12月６日～12日／フランス・アンジェ／WTA125）のトーナメントディレクターを務める男子ダブルス元世界ランク１位のニコラ・マウ（フランス／現５位）が、中国前副首相から性的暴行を受けていたと告発後に消息不明となったペン・シューアイ（中国）に対し「あなたを待っている」と呼びかけた。

　女子ダブルスで世界１位にも上り詰めたペンの安否が懸念される中、同じくダブルスで数々の輝かしい功績を残してきたアンジェ出身の39歳が動いた。大会公式ツイッター（@LoireOpen）に動画を投稿したマウは、「今年が第１回となるオープン・アンジェ・アリーナ・ロワールは全てが順調に進んでいます」と前置きしつつも、「しかし、ある特別な選手が欠けています。それはペン・シューアイです」と切り出したのだ。

　続けてマウは「今週、あなたはコートには立っていません。だから、日曜日（12日）に私の故郷で優勝した選手にトロフィー授与をお願いすべく、あなたをこの大会に招待したいと思います。ペン・シューアイ、我々はあなたを待っています」とコメント。ペンの失踪から約１カ月、いまだに一連の問題が解決へと至っていない状況を何とか打開したいと考えているようだ。
  　この動画をチェックしたテニスファンからは「声を上げてくれてありがとう！」「よく言ってくれた！」「あなたは真のリーダーだ！」「マウ、あなたを誇りに思うよ！」などと称賛の声が相次いでいる。

　WTA（女子テニス協会）が中国国内での全トーナメント中止を決定し、一部報道ではITF（国際テニス連盟）もこれに同調するとみられている。すでに世界規模の事案へと発展しているペンの失踪騒動。日に日に不安は募るばかりだが、とにかく彼女が無事であることを祈るしかない。

文●中村光佑

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