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海外テニス

ビッグ3全員に勝っているズベレフが“GOAT論争”に持論。「数字に逆らうことはできない」とジョコビッチを推す<SMASH>

中村光佑

2021.12.16

世界3位のズベレフ(左)は、記録を理由にジョコビッチ(右)を史上最高選手に推す。ズベレフ自身は東京五輪をはじめ過去にジョコビッチから4勝を挙げている。(C)Getty Images

世界3位のズベレフ(左)は、記録を理由にジョコビッチ(右)を史上最高選手に推す。ズベレフ自身は東京五輪をはじめ過去にジョコビッチから4勝を挙げている。(C)Getty Images

 男子テニス界は、長らくロジャー・フェデラー(スイス/世界ランク16位)、ラファエル・ナダル(スペイン/6位)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/1位)の「ビッグ3」が席巻してきた。

 全員がグランドスラム優勝回数20回で並ぶとともに、2010年から21年までの12年間で四大大会47回のうち38回の制覇。ATPツアーにおける覇権の大きさを物語っている。

 また、フェデラー、ナダル、ジョコビッチは、テニス界の“GOAT”(Greatest of All Time/史上最高の選手)の候補にも挙げられ、海外メディアやファンの間でも「いったい誰が史上最高と呼ばれるべきなのか?」と議論される。だが、そのなかで華やかなプレースタイルで異彩を放つフェデラー、そしてそのフェデラーと美しきライバル関係を築いてきたナダルのどちらかを推す声が強いのも事実だ。

 そんななか、ATPツアーでビッグ3全員から3回以上勝利した数少ないプレーヤーの1人であるアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ/3位)は、母国ドイツのテニス誌『Tennis Magazine』のインタビューで史上最高の選手にジョコビッチを指名。その理由について「誰が史上最高なのかについては人気ではなく、スポーツでの功績が決め手になるべきだ」と前置きしたうえで、次のように論じた。

「多くのテニスファンがロジャーやラファを支持しているのは知っているが、統計(記録)に反論することはできない。ノバクはロジャーとラファのいる時代に最も多くのグランドスラムを優勝している。彼(ジョコビッチ)はほとんどの週で世界1位になっているし、ほとんどの年で1位になっている。また、ノバクはマスターズの全タイトルを獲得しているし、他にも功績はたくさんある」
 
「ロジャーやラファの方が優れているというのは、僕たちが幼い頃から彼らのファンだったからであって、常に数字に逆らうことはできない。時には現実的に物事を見なければならないし、ノバクの(凄まじい)記録は単純に事実なんだ」

 ちなみに今季のジョコビッチは全豪・全仏・ウインブルドンを立て続けに制覇し、計5つのツアータイトルを獲得。年間ゴールデンスラム(1年で全ての四大大会とオリンピックを制覇)、年間グランドスラム(1年で全ての四大大会を制覇)の偉業達成こそならなかったものの、ピート・サンプラス氏(アメリカ)を抜いて、男子テニスオープン化以降最多となる7度目の年間最終ランク1位に輝き、有終の美を飾った。

 ただし、GOAT論争においては単純に3人を比較することが難しく、今後も確固たる結論が出ないことも考えられる。ズベレフ以外の選手の意見も聞いてみたいものだ。

文●中村光佑

【PHOTO】テニス史上に残る名プレーヤー!ノバク・ジョコビッチの厳選ショット
 

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