先週開催された男子テニスツアー「南フランス・オープン」(モンペリエ/ATP250)で準優勝に終わった世界ランク3位のアレクサンダー・ズべレフ(ドイツ)が、同大会決勝の直前に行なわれた記者会見で興味深い発言をした。先月の「全豪オープン」での早期敗退を振り返ったのだが、そこには「大きな原因となったものがある」のだという。
「ATPファイナルズ」での3年ぶりの優勝を含め、昨シーズンだけでツアー5勝を挙げた24歳のズベレフ。グランドスラムでも全米・全仏でベスト4入り、東京オリンピックではシングルスでドイツ人男子選手初となる金メダルを獲得し、全豪では有力な優勝候補と目されていた。
ところがズベレフは4回戦でデニス・シャポバロフ(カナダ/世界12位)にまさかのストレート負け。優勝すれば世界ランキングでも1位となる大チャンスを逃し、「昨年のウインブルドン以来、自分にとっては最悪の試合の一つになってしまった」と失意に暮れた。
素晴らしい2021年シーズンを過ごしただけに、この結果にはテニスファンからも続々と不満の声が上がっていたのは事実だ。だがこの時ズベレフは世界1位になることやグランドスラム初優勝へのプレッシャーが大きかっただけでなく、「携帯電話を使いすぎていた」のがまずかったと明かす。
「オーストラリアでは身内も彼女も一緒にいなかったから、多くの時間、携帯電話をかけて過ごしてしまった。それが、僕に大きなプレッシャーを与える一因となったんだ。世界No.1になる可能性についても語りすぎてしまった」
そして「そんな状況になったのは初めてだった。次回は携帯をあまり触らないようにするよ。もし両親が一緒なら、携帯をシャットダウンして、外の世界から解放されるかもしれない。そういったところから自分は学ばなければならない」ともコメント。思わぬところからパフォーマンスに悪影響を与えてしまうことが自身の新たな教訓になったようだ。
「もっといいプレーをしたいし、コートに立ちたいんだ」と意を決して臨んだモンペリエ大会では決勝に進みながらも、世界31位のアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)にストレートで敗れて優勝を逃したズベレフ。
だが、どんなトッププレーヤーでも永遠に調子の良い時期が続くわけではない。苦い経験も糧にした上で、さらなる活躍を期待したいところだ。
文●中村光佑
【連続写真】巧みな身体使いから生まれるズベレフの爆速サービス詳細画像
「ATPファイナルズ」での3年ぶりの優勝を含め、昨シーズンだけでツアー5勝を挙げた24歳のズベレフ。グランドスラムでも全米・全仏でベスト4入り、東京オリンピックではシングルスでドイツ人男子選手初となる金メダルを獲得し、全豪では有力な優勝候補と目されていた。
ところがズベレフは4回戦でデニス・シャポバロフ(カナダ/世界12位)にまさかのストレート負け。優勝すれば世界ランキングでも1位となる大チャンスを逃し、「昨年のウインブルドン以来、自分にとっては最悪の試合の一つになってしまった」と失意に暮れた。
素晴らしい2021年シーズンを過ごしただけに、この結果にはテニスファンからも続々と不満の声が上がっていたのは事実だ。だがこの時ズベレフは世界1位になることやグランドスラム初優勝へのプレッシャーが大きかっただけでなく、「携帯電話を使いすぎていた」のがまずかったと明かす。
「オーストラリアでは身内も彼女も一緒にいなかったから、多くの時間、携帯電話をかけて過ごしてしまった。それが、僕に大きなプレッシャーを与える一因となったんだ。世界No.1になる可能性についても語りすぎてしまった」
そして「そんな状況になったのは初めてだった。次回は携帯をあまり触らないようにするよ。もし両親が一緒なら、携帯をシャットダウンして、外の世界から解放されるかもしれない。そういったところから自分は学ばなければならない」ともコメント。思わぬところからパフォーマンスに悪影響を与えてしまうことが自身の新たな教訓になったようだ。
「もっといいプレーをしたいし、コートに立ちたいんだ」と意を決して臨んだモンペリエ大会では決勝に進みながらも、世界31位のアレクサンダー・ブブリク(カザフスタン)にストレートで敗れて優勝を逃したズベレフ。
だが、どんなトッププレーヤーでも永遠に調子の良い時期が続くわけではない。苦い経験も糧にした上で、さらなる活躍を期待したいところだ。
文●中村光佑
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