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海外テニス

女子ダブルス世界5位の柴原瑛菜が挑む新たなステージでの戦い!「気持ちいいです、フレッシュで」<SMASH>

内田暁

2022.03.17

ダブルスを通じて上位選手と戦える自信を得た柴原は今季、シングルスでのツアー参戦も目標に据える。(C)Getty Images

ダブルスを通じて上位選手と戦える自信を得た柴原は今季、シングルスでのツアー参戦も目標に据える。(C)Getty Images

 相手のリターンを鋭くボレーで叩き込むと、拳を振り上げながら身体を翻し、飛び跳ねるパートナーと固くハグを交わした。

 WTA1000の「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ)で、2年連続の準決勝進出。ただ、コロナ禍の影響で開催時期が異なった昨年の同大会とは、パートナーも、そしてチーム内の役割も異なるなかで勝ち取ったベスト4だ。

 インディアンウェルズまで、車で2時間ほどの町で育った柴原瑛菜にとって、ここは最大の“ホーム”である。

 準々決勝の相手は、人気者のガウフ/マクナリーだったため、応援の数ではやや引けを取った。それでも、聞きなれた友人たちの熱い声援は耳に届くし、「エナジー(エネルギー)になった」という。

 今大会のパートナーは、6歳年長でラスベガス育ちのアジア・ムハンマド。「友だちだし、何度も対戦してきた」仲だが、ダブルスを組むのはこれが初めて。「彼女は固定のパートナーが居たので無理だと思っていたけれど、向こうから声を掛けてくれた」ため、実現した仲良しペアだ。

 178センチの長身でサーブとストロークが武器のムハンマドは、これまで組んできた青山修子とは正反対のプレースタイル。
 
「パートナーのプレースタイルに、自分もアジャストしなくてはいけない。青山さんは前で動いてくれるので、わたしは後ろで頑張ろうと思ってきた。でもわたしとアジア(ムハンマド)だったら、わたしが前で決めなくてはという感じで、そこは気にしてやっています」

 パートナーの変更により、変化を求められた自身のプレー。ただその変化は、柴原にとって「楽しいチャレンジ」だという。

「わたし、ジュニアのときは前で動く方だったので、今週、その頃のメモリーが戻ってきた感じで。気持ちいいです、フレッシュで!」

 若返った気分――?

 そうたずねると、「はい、ボレーを決めるのは楽しいです」と、満面の笑みが返ってきた。

 過去3年パートナーだった青山と全豪オープン以降組んでいないのは、柴原がシングルスに比重を置くと決断したため。現在の柴原のシングルスランキングは、531位。シングルスの主戦場はITF大会になるため、ペアを固定しツアーを回りたい青山とは、一旦袂を分かつ形となった。
 
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