現在開催中の男子テニスツアー「マイアミ・オープン」(3月23日~4月3日/アメリカ・マイアミ/ハードコート/ATP1000)は現地3月29日にシングルス4回戦を実施。第14シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク16位)が第3シードのステファノス・チチパス(ギリシャ/5位)を7-5、6-3のストレートで破り、同大会初のベスト8進出を決めた。
前週のBNPパリバ・オープンでは同胞のレジェンドであるラファエル・ナダル(3位)にフルセットで敗れたものの、マスターズ1000で自身初の4強入りを達成した18歳のアルカラス。凄まじい成長を見せているスペインテニス界の超新星は、今大会初戦となったマートン・フチョビッチ(ハンガリー/55位)との2回戦、第21シードのマリン・チリッチ(クロアチア/24位)との3回戦ともストレート勝利を収め、16強へと駒を進めていた。
チチパスとは昨年9月の全米オープン3回戦以来となる2度目の顔合わせ。この時はアルカラスが4時間7分にも及ぶフルセットの大激戦の末にチチパスを破り、男子テニス界に衝撃を与えたことはファンの記憶にも新しい。ちなみに同大会でアルカラスは四大大会初の8強入りを果たしている。
チチパスとの半年ぶりの再戦となったこの試合は、リベンジに意気込むチチパスに先にリードを許す苦しい展開。それでもアルカラスはチチパスのサービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームでブレークバックに成功すると、ここから怒涛の攻撃を見せ逆転で第1セットを奪取。
第2セットでも勢いが止まらないアルカラスは第1ゲームで早々にブレークを奪い、迎えた第9ゲームでは2度目のブレークを果たして粘るチチパスを振り切った。
試合後のインタビューでアルカラスは拮抗した第1セットを振り返り、「本当にタフだった。彼(チチパス)は信じられないようなプレーをしていた」とコメント。「僕が言えるのは、第1セットは最後の1球まで戦ったということだ」と劣勢の中でも諦めなかったことが功を奏したようだ。
さらにアルカラスは事前に明確なゲームプランを練った上でチチパスとの対戦に臨んだことを明かした。
「ステファノスは常にフォアハンドを打とうとしてくる選手だということはわかっていたよ。だから2、3本ほどバックハンドのクロスを打ってからダウンザラインに切り替えて、彼のフォア側を狙うようにした。それが鍵になったよ。彼は常にバック側にいて、フォアで打てるタイミングを探していると思う。だからバックのダウンザラインはとても重要だったんだ」
18歳らしからぬ分析力と躍動感あふれるプレーでチチパスから2連勝を飾ったアルカラス。次なる準々決勝では22歳のミオミル・ケツマノビッチ(セルビア/48位)と対戦する。次戦もどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか注目だ。
文●中村光佑
【連続写真】将来の王者候補アルカラスの動かされても力強く返球したフォアハンド
前週のBNPパリバ・オープンでは同胞のレジェンドであるラファエル・ナダル(3位)にフルセットで敗れたものの、マスターズ1000で自身初の4強入りを達成した18歳のアルカラス。凄まじい成長を見せているスペインテニス界の超新星は、今大会初戦となったマートン・フチョビッチ(ハンガリー/55位)との2回戦、第21シードのマリン・チリッチ(クロアチア/24位)との3回戦ともストレート勝利を収め、16強へと駒を進めていた。
チチパスとは昨年9月の全米オープン3回戦以来となる2度目の顔合わせ。この時はアルカラスが4時間7分にも及ぶフルセットの大激戦の末にチチパスを破り、男子テニス界に衝撃を与えたことはファンの記憶にも新しい。ちなみに同大会でアルカラスは四大大会初の8強入りを果たしている。
チチパスとの半年ぶりの再戦となったこの試合は、リベンジに意気込むチチパスに先にリードを許す苦しい展開。それでもアルカラスはチチパスのサービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームでブレークバックに成功すると、ここから怒涛の攻撃を見せ逆転で第1セットを奪取。
第2セットでも勢いが止まらないアルカラスは第1ゲームで早々にブレークを奪い、迎えた第9ゲームでは2度目のブレークを果たして粘るチチパスを振り切った。
試合後のインタビューでアルカラスは拮抗した第1セットを振り返り、「本当にタフだった。彼(チチパス)は信じられないようなプレーをしていた」とコメント。「僕が言えるのは、第1セットは最後の1球まで戦ったということだ」と劣勢の中でも諦めなかったことが功を奏したようだ。
さらにアルカラスは事前に明確なゲームプランを練った上でチチパスとの対戦に臨んだことを明かした。
「ステファノスは常にフォアハンドを打とうとしてくる選手だということはわかっていたよ。だから2、3本ほどバックハンドのクロスを打ってからダウンザラインに切り替えて、彼のフォア側を狙うようにした。それが鍵になったよ。彼は常にバック側にいて、フォアで打てるタイミングを探していると思う。だからバックのダウンザラインはとても重要だったんだ」
18歳らしからぬ分析力と躍動感あふれるプレーでチチパスから2連勝を飾ったアルカラス。次なる準々決勝では22歳のミオミル・ケツマノビッチ(セルビア/48位)と対戦する。次戦もどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか注目だ。
文●中村光佑
【連続写真】将来の王者候補アルカラスの動かされても力強く返球したフォアハンド