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日本代表・村松千裕がフォアのダウンザラインの秘訣を伝授。早いテンポで打つ鍵とは?【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.04.09

ボールを落とさないことを重視しているという村松選手のダウンザライン。早めにスタートを切り、コートの中に入って早いタイミングでヒットしている。写真:滝川敏之

ボールを落とさないことを重視しているという村松選手のダウンザライン。早めにスタートを切り、コートの中に入って早いタイミングでヒットしている。写真:滝川敏之

 プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単にたたき込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は、昨年のBJKカップで日本代表デビューを飾った村松千裕選手が登場。フォアハンドのダウンザラインについて教えてくれた。

  *  *  *

 村松選手は力で押すタイプではなく、緻密な配球とタイミングの早さで勝負するタイプ。その意味でフォアのダウンザラインは重要で、「昔から武器にしているショット」だという。

「相手を動かしたい時や、自分が先に主導権を握りたい時などに、クロスラリーからダウンザラインに仕掛けていきます」とのこと。小柄な村松選手がパワフルな外国人選手相手に延々とクロスラリーをしても押されてしまう。機を見て展開を替える必要があり、そこでダウンザラインが役に立つわけだ。

 では技術的にはどんなことを意識しているのだろうか。

「ボールに早く入って、打点を落とさずに打つことですね」と即答。「私の場合はテンポを重視しているので、テイクバックはあまり大きく取らず、コンパクトにボールを捉えにいきます」

 球威を重視するなら大きく引く必要もあるだろうが、早いテンポでライジング気味にたたくには、コンパクトなテイクバックは必須条件だ。
 
 もう1つ、「早いタイミングで打つには、ある程度予測も必要です」とも教えてくれた。「次は前に入れそうだな、とか、状況をよく見ておくんです」と、常にアンテナを張っておくことの大切さを強調。

 さらに「ダウンザラインの前に、ラリーでクロスに攻撃的に打って、前に入れるボールを引き出したりもします」と村松選手。漫然とチャンスが来るのを待つのではなく、自分から布石を打つことも忘れてはいない。

【プロフィール】村松千裕/むらまつ ちひろ
1998年5月22日、千葉県生まれ。161cm、左利き。パワーに頼らず、頭脳的な配球で相手を揺さぶり、タイミングの早さで攻撃するスタイル。2020年全豪オープン予選初出場で初戦に勝利。21年には日本代表としてBJK杯を戦った。WTA自己最高205位。グラムスリー所属。

構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2020年12月号より再編集

【PHOTO】村松千裕のフォアハンドのダウンザライン、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
 

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