プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単にたたき込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は、昨年のBJKカップで日本代表デビューを飾った村松千裕選手が登場。フォアハンドのダウンザラインについて教えてくれた。
* * *
村松選手は力で押すタイプではなく、緻密な配球とタイミングの早さで勝負するタイプ。その意味でフォアのダウンザラインは重要で、「昔から武器にしているショット」だという。
「相手を動かしたい時や、自分が先に主導権を握りたい時などに、クロスラリーからダウンザラインに仕掛けていきます」とのこと。小柄な村松選手がパワフルな外国人選手相手に延々とクロスラリーをしても押されてしまう。機を見て展開を替える必要があり、そこでダウンザラインが役に立つわけだ。
では技術的にはどんなことを意識しているのだろうか。
「ボールに早く入って、打点を落とさずに打つことですね」と即答。「私の場合はテンポを重視しているので、テイクバックはあまり大きく取らず、コンパクトにボールを捉えにいきます」
球威を重視するなら大きく引く必要もあるだろうが、早いテンポでライジング気味にたたくには、コンパクトなテイクバックは必須条件だ。
もう1つ、「早いタイミングで打つには、ある程度予測も必要です」とも教えてくれた。「次は前に入れそうだな、とか、状況をよく見ておくんです」と、常にアンテナを張っておくことの大切さを強調。
さらに「ダウンザラインの前に、ラリーでクロスに攻撃的に打って、前に入れるボールを引き出したりもします」と村松選手。漫然とチャンスが来るのを待つのではなく、自分から布石を打つことも忘れてはいない。
【プロフィール】村松千裕/むらまつ ちひろ
1998年5月22日、千葉県生まれ。161cm、左利き。パワーに頼らず、頭脳的な配球で相手を揺さぶり、タイミングの早さで攻撃するスタイル。2020年全豪オープン予選初出場で初戦に勝利。21年には日本代表としてBJK杯を戦った。WTA自己最高205位。グラムスリー所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2020年12月号より再編集
【PHOTO】村松千裕のフォアハンドのダウンザライン、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
* * *
村松選手は力で押すタイプではなく、緻密な配球とタイミングの早さで勝負するタイプ。その意味でフォアのダウンザラインは重要で、「昔から武器にしているショット」だという。
「相手を動かしたい時や、自分が先に主導権を握りたい時などに、クロスラリーからダウンザラインに仕掛けていきます」とのこと。小柄な村松選手がパワフルな外国人選手相手に延々とクロスラリーをしても押されてしまう。機を見て展開を替える必要があり、そこでダウンザラインが役に立つわけだ。
では技術的にはどんなことを意識しているのだろうか。
「ボールに早く入って、打点を落とさずに打つことですね」と即答。「私の場合はテンポを重視しているので、テイクバックはあまり大きく取らず、コンパクトにボールを捉えにいきます」
球威を重視するなら大きく引く必要もあるだろうが、早いテンポでライジング気味にたたくには、コンパクトなテイクバックは必須条件だ。
もう1つ、「早いタイミングで打つには、ある程度予測も必要です」とも教えてくれた。「次は前に入れそうだな、とか、状況をよく見ておくんです」と、常にアンテナを張っておくことの大切さを強調。
さらに「ダウンザラインの前に、ラリーでクロスに攻撃的に打って、前に入れるボールを引き出したりもします」と村松選手。漫然とチャンスが来るのを待つのではなく、自分から布石を打つことも忘れてはいない。
【プロフィール】村松千裕/むらまつ ちひろ
1998年5月22日、千葉県生まれ。161cm、左利き。パワーに頼らず、頭脳的な配球で相手を揺さぶり、タイミングの早さで攻撃するスタイル。2020年全豪オープン予選初出場で初戦に勝利。21年には日本代表としてBJK杯を戦った。WTA自己最高205位。グラムスリー所属。
構成●スマッシュ編集部
※『スマッシュ』2020年12月号より再編集
【PHOTO】村松千裕のフォアハンドのダウンザライン、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』