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海外テニス

「愚か者の極みだ」元世界1位のリオス氏が、ジョコビッチのワクチンを接種しない姿勢を痛烈批判<SMASH>

中村光佑

2022.04.12

18個のツアータイトル保持者のリオス氏(左)、モンテカルロの会場で練習するジョコビッチ。(C)Getty Images

18個のツアータイトル保持者のリオス氏(左)、モンテカルロの会場で練習するジョコビッチ。(C)Getty Images

 元世界ランク1位のマルセロ・リオス氏(チリ)が母国チリの日刊紙『La Tercera』のインタビューに応じ、未だに新型コロナウイルスのワクチン接種を完了していない現世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)を痛烈に批判した。

 今年1月にワクチン接種免除をめぐるオーストラリア入国問題で大いに世間をざわつかせたジョコビッチ。4連覇のかかる全豪オープンの欠場を余儀なくされた彼は、その後もワクチン未接種を貫いており、今年2月には英公共放送『BBC』のインタビューで「ワクチン接種を強制されるなら、全仏オープンもウインブルドンも出ない」と大胆に宣言。その理由については「身体を気遣うためで、自分の身体についての意思決定の原則はいかなるタイトルよりも重要だからだ」と説明していた。

 ちなみにジョコビッチが今季出場できたのは接種義務のなかった2月のドバイ選手権の1大会のみ。加えて、今週開幕した「モンテカルロ・オープン」(4月10日~17日/モナコ:モンテカルロ/クレーコート/ATP1000)も事前の選手へのワクチン接種が課されていないため出場中だ。なお第1シードとして参戦する彼は初戦となる2回戦で世界46位のアレハンドロ・ダビドビッチフォキナ(スペイン)と対戦する。

 そんなジョコビッチのワクチン接種へのスタンスに物申したのが身長175センチと小柄ながらも高い身体能力を生かしたプレーで90年代後半に活躍した元世界王者のリオス氏だ。
 
 今回のインタビューでリオス氏は「どういう理由なのかは知らないが、ワクチンを受けないことで史上最高のプレーヤーになるチャンスをふいにするなんて愚か者の極みだ。最初はワクチンに対する恐怖心からそういう姿勢を取っていたと思うが、ここまでくると傲慢だ」と強めの口調でジョコビッチを非難。

 続けて「彼(ジョコビッチ)はツアーで競い合うことを諦めようとしている」とした上で、「今回のワクチンの件で彼が史上最高の選手になることはないだろう」とも予想した。

 もちろんジョコビッチがワクチン接種に踏み切れば、今後はより多くの大会でプレーする姿が見られることだろう。だがテニス界では男子元世界25位のジェレミー・シャルディー(フランス/現210位)が昨年9月に接種後の副反応による体調不良でやむなく21年シーズンを終了したケースもあり、日頃から身体を徹底管理しているジョコビッチにとっては非常に難しい判断となるのは間違いない。

 何はともあれ、まずは居住地でもあるモンテカルロの舞台でジョコビッチが望み通りの結果を残せるよう祈るばかりだ。

文●中村光佑

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