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期待の若手アンベールの極度の不振はワクチンの副反応が原因か?「45分後にはあちこちが痙攣を起こした」<SMASH>

中村光佑

2022.04.14

今季苦戦が続くアンベールはモンテカルロでも初戦で姿を消した。本人はワクチンの副反応を低迷の原因に挙げる。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアー「モンテカルロ・マスターズ」(4月10日~17日/モナコ・モンテカルロ/クレーコート/ATP1000)で初戦敗退を喫した世界ランク48位のユーゴ・アンベール(フランス)が、試合後の記者会見で、新型コロナウイルスのワクチン接種を終えてから体調不良に悩まされていると明かした。

 昨年6月のハーレ大会(ドイツ・ハーレ/芝/ATP500)でキャリア最大のタイトルを獲得するなど、フランス・テニス界の次世代エースとして大きな期待を寄せられている23歳のアンベール。ところが今シーズンは計7大会に出場してわずか2勝と不振にあえいでおり、今回のモンテカルロでも1回戦で世界45位のペドロ・マルチネス(スペイン)にストレート負けを喫した。

 昨シーズン後半にワクチン接種を完了したものの、今年1月に出場した全豪オープンの直後に新型コロナの感染が判明した新鋭は「調子を落としている原因をずっと探ってきた」と言う。そのうえで「ワクチンを接種してから疲労に悩まされるようになったんだ」と告白した。

「トロント(カナダ)での注射から10日後、もちろんたくさんプレーしていたが、45分後や1時間後には身体のあちこちが痙攣を起こして、シーズン終盤には練習するのも大変な状態になっていた。1時間後には疲れ果てていたし、3週間も休まなければならなかった」

 一方で「可能な限りの検査をしたが、何も見つからなかった。医師はワクチンとの関連があるかもしれないと言ったが、ワクチンについてまだ十分にはわかっていないのだから、(原因を)探り続けるのは無駄だと言われた」ともコメント。非常にもどかしい日々を送っているようだ。

「このようなケースは僕1人だけに限らない」と言う通り、実はワクチン接種後の副作用に見舞われたのはアンベールだけではない。昨年9月には同胞で男子元世界25位のジェレミー・シャルディ(現210位)が接種後の体調不良で2021年シーズンを早々に終了し、現在もツアーには復帰できていない。

 また、同じく同郷のガエル・モンフィス(現21位)も今年2月に3度目の接種を行なった直後に「ちょっとした体調不良に悩まされている」と明かし、一時的に大会出場を見送っていた。

 まだまだ新型コロナの収束が見込めない。そのなかで、ここ最近は多くのツアー大会でワクチン接種を義務付ける動きが広がっている。だが接種のリスクについても統括団体内でしっかりと議論されるべきではないだろうか。

文●中村光佑

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