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ジョコビッチに数々の栄冠をもたらした元コーチが激白。関係解消理由は「数を減らしたいと望んだ」<SMASH>

中村光佑

2022.05.05

テニス界の絶対王者として君臨したジョコビッチ(左)を支え続けてきた元コーチのマリアン・バイダ氏(右)が関係解消の理由について語った。(C)Getty Images

 男子テニス現世界王者のノバク・ジョコビッチ(セルビア)の元コーチで、今年3月初旬に同選手との関係を解消したマリアン・バイダ氏が、米テニス専門メディア『Tennis Majors』のインタビューに応じ、互いに別々の道を歩んだ理由を明かした。

 昨年7月のウインブルドンでのグランドスラム20度目の優勝や世界1位在位期間361週の新記録樹立など、ジョコビッチがこれまでに残してきた数々の偉大なる功績の裏には、常にバイダ氏の支えがあったのは、周知の事実だ。

 だが、2006年から約15年間にわたって苦楽を共にしてきた2人は、昨年11月の「ATPファイナルズ」(シーズン最終戦)終了後に契約を終了する方向で合意。今年3月2日にはジョコビッチが自身のSNSで「この15年間、彼との友情と彼の僕に対する献身にとても感謝しています」とバイダ氏との関係解消を公表した。

 現在ジョコビッチは19年6月からタッグを組んでいる元男子世界2位のゴラン・イバニセビッチ氏に師事している。

 今回のインタビューでバイダ氏は「関係解消には様々な理由があった」と前置きしたうえで、ジョコビッチが「コーチを1人にすることを望んだため」に契約を終了したと告白。その詳細を次のように語った。

「私は彼に尋ねたことがないので確かなことはわからないが、大会のスケジュールを分析した結果、彼はチームの人数を減らしたいと考え、ゴラン・イバニセビッチに師事することを選んだのだと思う。コーチを選ぶには長期的なプランが必要なんだ」

「私たちは本当に長い間一緒にやってきた中で、実際に彼はグランドスラムに集中したいという意志表示はしていた。だから、彼はチームに多くの人がいるのは理想的ではないと思ったのかもしれない。彼はチームの人数を減らして、コーチは1人だけにしたいと考えていた」
 
 なお、同じく米テニス専門メディア『UBITENNIS』など複数のメディアによると、バイダ氏は新たに世界47位のアレックス・モルカン(スロバキア)のコーチに就任することが決定したという。モルカンは今年初めに自身初のトップ50入りを果たしたばかりの24歳で、4月に行なわれた「ハッサン2世グランプリ」(モロッコ・マラケシュ/クレーコート/ATP250)で準優勝を収めた。

「実はたくさんのオファーがあった」というバイダ氏。その中で同郷でもあるモルカンを指導する決断を下した経緯について「スロバキアテニス界でトップの選手を指導できるなんてうれしいことだと思ったんだ。それが決め手になったね。彼をサポートしてみたかった」と明かした。

 ちなみに「今も友人だよ」というジョコビッチは、今週行なわれている「マドリード・オープン」(5月1日~8日/スペイン・マドリード/クレーコート/ATP1000)に第1シードで出場中。初戦となったガエル・モンフィス(フランス/21位)との2回戦を突破し、3回戦で約5年ぶりに元世界王者のアンディ・マリー(イギリス/現78位)と対戦する。

文●中村光佑

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