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海外テニス

「ウインブルドンはエキジビションにはならない」元王者マリーが主張!「観客はランキングポイントに興味はない」と持論<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.05.27

ウインブルドンのロシア・ベラルーシ外しでランキングポイントが付かなくなったが、マリーは大会やファンに影響ないと考えているようだ、(C)Getty Images

ウインブルドンのロシア・ベラルーシ外しでランキングポイントが付かなくなったが、マリーは大会やファンに影響ないと考えているようだ、(C)Getty Images

 テニスの「ウインブルドン」がロシアとベラルーシの選手除外を決めたことに対し、「公平性が保てない」と猛反発するATP(男子プロテニス協会)とWTA(女子テニス協会)が、同大会出場選手にランキングポイントを与えないと決定した。これには多くの選手が「エキジビション大会だ」と口にするようになった。

 大坂なおみもそう考える選手の一人だ。現在開催中の全仏オープンの記者会見では「今は(ウインブルドンで)プレーしない方向に傾いている。エキジビションのようなものだと思うと100%で戦えない。私は自分のランキングが上がるとか、そういうことでモチベーションが上がるタイプだから」と言う。

 一方で「大会は決してエキジビションのようにはならない」と反発する選手もいる。その一人が、2013年と16年のウインブルドン優勝者アンディ・マリー(イギリス/現世界67位)である。

 ATPの選手評議会の一員でもあるマリーはこれまで沈黙を貫いてきた。だが、波紋の広がりを受けてこのほど、自身のSNSを通じてウインブルドンが“エキジビション化”しない理由を彼なりの解釈で説明した。

「私はよくゴルフの試合を観ますが、『マスターズ』の優勝者がどれだけのランキングポイントを獲得しているかは全く知りません。私の友人もサッカーが大好きですが、ワールドカップの優勝国がどれだけポイントを獲得しているかなんて知らないし、気にもしていません。しかし、マスターズで誰が優勝したか、ワールドカップでどのチームが優勝したかは、簡単に言うことができます」としたうえでこう続ける。

「開幕したウインブルドンの客席にいる人は、3回戦に勝つと何ポイントもらえるかなんて知らないし、興味もないでしょう。しかし、誰が3回戦で勝ったかは覚えているはずです。ウインブルドンは決してエキシビションではないし、エキシビションのように感じることもないでしょう」
 
 また、マリーと同じイギリス出身のキャメロン・ノーリー(11位)も全仏オープンの記者会見でランキングポイントの有無はあまり影響ないと考えている。

「僕はタイトルを取りに行きたいと思っています。ポイントが与えられないからといって、そこから何かが失われるとは思わないし、試合を見ているファンは誰でも『あの選手がウインブルドンで優勝した』と思うだろう。でも、『あの選手が2000ポイントを獲得した』とは思わないでしょう」と語る。

 現在開催中の全仏オープン(5月22日~6月5日)が終わると、テニス界はウインブルドン(6月27日~7月10日)を中心とした1か月ほどの短いグラスコート・シーズンを迎える。クレーコートの戦いからグラスコートの戦いへ移行する際、多くの選手が調整に苦労すると言われるが、今年はコートへの順応以上に選手を悩ませそうな気配だ。

構成●スマッシュ編集部

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