テニスの試合は世界中で毎週開催されています。今回はテニス選手がどのようにして出場大会を決めているのか、どんな工夫や苦労をしているのかを紹介したいと思います。
私の場合、1シーズンの大まかなスケジュールを最初に決めていました。グランドスラム4大会に加えてマンダトリーとされるプレミアレベル、現在ではWTA1000のインディアンウェルズとマイアミ、あとアジアシリーズを入れてスケジュールの大枠が完成です。それ以外の大会をどのように組んでいくかが問題です。日本から遠征に行くとなると、最低3大会は回りたいので、自分にとって組みやすいのはどの大会かを考えます。
基本は自分が行きたい大会ですが、ポイントのこともあるので、そう思い通りにもいきません。計画的かつ楽しくツアーが回れる自分らしさを見つけるために情報収集は必須です。あまりトップ選手が出ないけれど、自分と相性が良いとか、みんなが避けやすくてポイントが取れそうなども考慮します。
ランキングが微妙な時が最も悩みます。本戦か予選かでは行く日も変わって来ますし、予選になると2回、3回勝ち上がるタフさやスケジュールの立てにくさも出てきます。予選で負けた場合は、次の大会までの期間が長くなるので、それも避けたいところです。
遠征の最初の大会で候補が2大会あった場合、その時のテニスの調子やフィジカル的なことも考慮して本戦に入れる可能性が高い方を選びたい場合は、パソコンの前で出場予定選手のリストを見ながら、エントリーの締め切りぎりぎりまで粘っていました。最初の大会が決まれば、あとはそこから行きやすい大会がだいたい見えてきます。
本戦に入れるのかが微妙な時や、また試合数をたくさんして自信を得たい時は、あえてレベルの低いITFの大会やWTA予選から戦うことも考えてエントリーしておきます。ITFはWTAよりも締切りが遅いんです。だから、WTAの本戦に入れそうにないと判明した時点でエントリーをキャンセルすれば、ITFの大会に出場できます。ただし、キャンセルするのを忘れてしまうと、ペナルティーでポイントが付かなくなってしまいます。
遠征に出てしまえば、本戦に入れる可能性があれば、会場まで行っていました。セカンドキャリアの最初の頃、カリフォルニアでのITFの大会から、マイアミの予選に出場できるか不確かな状態でしたが行ったことがあります。何番アウトだったか覚えていませんが、万が一出られることになった場合、行かなかったら後悔すると思ったので行きました。結局その時は出られず、移動してITFの大会に出場しました。
経費の問題もあるので、1番アウトでも会場に行かない選手はいます。ただ、日本人の場合は、遠征に出てしまえば大きな経費はかかっているので、小さなチャンスでも可能性を探り、逃さないためにも、「サインしに会場へ行って待とう」と言う日本のコーチは多いと思います。
ランキングが微妙な時は大会選びに苦労しますが、上位選手になれば自分が選んだ大会に出場できるので、この悩みは解消します。例えば、ファーストキャリアの頃トップ10選手は全米オープン終了時に、翌年のツアースケジュールを提出していました。ランキングが安定していれば出場大会が選びやすい反面、今の時代はそれに伴い、様々なことを課せられることが選手には多くなっているのも事実です。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
【PHOTO】世界4位にまで上り詰めた伊達公子のキャリアを写真で振り返り!
私の場合、1シーズンの大まかなスケジュールを最初に決めていました。グランドスラム4大会に加えてマンダトリーとされるプレミアレベル、現在ではWTA1000のインディアンウェルズとマイアミ、あとアジアシリーズを入れてスケジュールの大枠が完成です。それ以外の大会をどのように組んでいくかが問題です。日本から遠征に行くとなると、最低3大会は回りたいので、自分にとって組みやすいのはどの大会かを考えます。
基本は自分が行きたい大会ですが、ポイントのこともあるので、そう思い通りにもいきません。計画的かつ楽しくツアーが回れる自分らしさを見つけるために情報収集は必須です。あまりトップ選手が出ないけれど、自分と相性が良いとか、みんなが避けやすくてポイントが取れそうなども考慮します。
ランキングが微妙な時が最も悩みます。本戦か予選かでは行く日も変わって来ますし、予選になると2回、3回勝ち上がるタフさやスケジュールの立てにくさも出てきます。予選で負けた場合は、次の大会までの期間が長くなるので、それも避けたいところです。
遠征の最初の大会で候補が2大会あった場合、その時のテニスの調子やフィジカル的なことも考慮して本戦に入れる可能性が高い方を選びたい場合は、パソコンの前で出場予定選手のリストを見ながら、エントリーの締め切りぎりぎりまで粘っていました。最初の大会が決まれば、あとはそこから行きやすい大会がだいたい見えてきます。
本戦に入れるのかが微妙な時や、また試合数をたくさんして自信を得たい時は、あえてレベルの低いITFの大会やWTA予選から戦うことも考えてエントリーしておきます。ITFはWTAよりも締切りが遅いんです。だから、WTAの本戦に入れそうにないと判明した時点でエントリーをキャンセルすれば、ITFの大会に出場できます。ただし、キャンセルするのを忘れてしまうと、ペナルティーでポイントが付かなくなってしまいます。
遠征に出てしまえば、本戦に入れる可能性があれば、会場まで行っていました。セカンドキャリアの最初の頃、カリフォルニアでのITFの大会から、マイアミの予選に出場できるか不確かな状態でしたが行ったことがあります。何番アウトだったか覚えていませんが、万が一出られることになった場合、行かなかったら後悔すると思ったので行きました。結局その時は出られず、移動してITFの大会に出場しました。
経費の問題もあるので、1番アウトでも会場に行かない選手はいます。ただ、日本人の場合は、遠征に出てしまえば大きな経費はかかっているので、小さなチャンスでも可能性を探り、逃さないためにも、「サインしに会場へ行って待とう」と言う日本のコーチは多いと思います。
ランキングが微妙な時は大会選びに苦労しますが、上位選手になれば自分が選んだ大会に出場できるので、この悩みは解消します。例えば、ファーストキャリアの頃トップ10選手は全米オープン終了時に、翌年のツアースケジュールを提出していました。ランキングが安定していれば出場大会が選びやすい反面、今の時代はそれに伴い、様々なことを課せられることが選手には多くなっているのも事実です。
文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン
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