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世界12位のフルカチュが、名手たちを苦しめる攻撃的フォアハンドを解説!「足を動かして調節している」<SMASH>

スマッシュ編集部

2022.06.19

「意識していることはボールを上げること」など、詳しくコツを教えてくれたフルカチュ。写真:Getty Images、滝川敏之

 テニス世界ランク12位でのフベルト・フルカチュ(ポーランド/25歳)。現在開催中の「テラ・ウォルトマン・オープン」(6月13日~19日/ドイツ:ハーレ/グラスコート/ATP500)で決勝に進出し、第1シードのダニール・メドベージェフと今晩対戦予定である。

 彼の攻撃的なフォアハンドについて、本人が打ち方を詳しく教えてくれた。

 サービスを打った後、できるだけ早くすることは、「相手がどんなショットを打とうとしているかを見ること。そしてどんなボールが来るのか、短いのか少し長めなのかなどを予測して、それに合わせてポジションを取る」。フォームよりもまずは相手を見て動くことが大事だと言う。

 そして、相手のボールが短くなると思った時には、「少し前進してアタックする準備をする。ボールを打つ時には、良いポジションにいて、良いバランスで打てる状態でいることが大切なんだ」と、攻撃的なショットを打つためのポジショニングの重要性を教えてくれた。

「自分よりも前にボールがある状態で打つことが大事。正しい場所で、最適なタイミングで打つために、足を動かして調節している。フォワードスイングを始めたら、その勢いの中でボールが打てるようにしておくんだ」
 
 フルカチュはラケットダウンする時に、ラケット面が下を向いた状態にしている(写真)。これについては、「手首の力が十分に抜けているということかな。こうした方がよりパワーを得られるんだよ。リストが固まっていないと、ラケットが走ってくれてスピンもかかるしパワーも出る」とのこと。

 最後にコート内で攻撃的なショットを打つ時に意識している点。「よりフラットで攻撃的に打とうとしている。でも、こういう時でも意識していることはボールを上げること。そうすれば、上がった後に落ちてコート内にボールが入ってくれる」と、攻撃する時でも確率を上げることを忘れてはいない。

 ポジションに対する考え方など、一般プレーヤーも参考にできることが多い。自分のプレーに取り入れて、攻撃的ショットの成功率をアップさせよう。

◆Hubert Hurkacz/フベルト・フルカチュ(ポーランド)
1997年2月11日、ポーランド生まれ、モナコ在住。196cm、81kg、右利き、両手BH。2018年にネクストジェンATPファイナルズに出場。19年にツアー初勝利を挙げ、21年には3大会で優勝し、自己最高の9位にランクイン(11月8日付)。

構成●スマッシュ編集部 取材協力●ヨネックス(株)
※スマッシュ2020年5月号から抜粋・再編集

【連続写真】ラケット面を下に向けてテイクバックするフルカチュの鋭いフォアハンド
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【動画】フルカチュがキリオスに勝利して決勝進出を決めた試合のハイライト。4:12~