国内テニス

「日本に伝わっているヨーロッパの情報量が少ない」欧州在住のテニスコーチが提示する育成年代の新たな選択肢

赤松恵珠子(スマッシュ編集部)

2019.11.19

優勝した選手たち。左から池戸悠希子、金子紗英、石井凌馬、前田透空(優勝者全員ではありません)。写真=スマッシュ編集部

 最近テニスをする子どもたちが、10代前半から海外遠征に行くようになった。その時、最も重要なのが情報。特にヨーロッパの情報はなかなか手に入らず、親御さんたちは苦労しているのが現状だ。

 この状況を打開しようと、ドイツ在住でヨーロッパ遠征のサポートなどを行なっている椙田正人氏が、「第1回ヨーロッパテニスアカデミーチャレンジカップ」を、11月16日・17日に山梨県のフジプレミアムリゾートで開催した。

 この大会の優勝賞品が、ヨーロッパのエナンアカデミーやフェレーロアカデミーを始めとする、椙田氏がオススメする7つのアカデミーへの1週間無料招待である。この大会に出場するメリットはそれだけではない。会場は、親御さんたちが椙田氏に質問したり、親同士でも情報交換を行える貴重な場となっていた。親御さんたちが特に懸念するのが費用の問題で、多くの人がアメリカ遠征よりも高くかかると思っているという。
 
 実際、遠征の内容によって金額は大きく違う。1人で行くのかグループなのか、大会に出場するだけなのか、アカデミーでの練習も加えるのかなど。具体的な金額を説明すると、「そんなに高くないんですね」とのリアクションが多いそうだ。

 今回、多くの親御さんから様々な質問を受けた椙田氏は、「日本に伝わっているヨーロッパの情報量が少ない。遠征を引率するコーチもアメリカの方が詳しく、ヨーロッパについては知らないことが多いのだと思います」と語る。アメリカ留学の経験があったり、アメリカ遠征に行ったことがあるコーチは多いが、ヨーロッパでそういう経験をしたコーチがほとんどいないため、情報量に偏りがあるようだ。

「ヨーロッパではいろんな国の子どもたちが集まる大会が多数あるし、選べばオレンジボウルやエディーハー(※レベルの高い大会)と同等のレベルの大会もあるので、ぜひ試合に挑戦してほしい」と椙田氏。