大坂なおみを捉えたユニークな動画が公開され話題になっている。

　現在開催中の女子テニスツアー「ウェスタン＆サザン・オープン」（アメリカ・シンシナティ）に参戦している大坂なおみは、現地16日に実施されたシングルスの１回戦で中国のジャン・シューアイ（44位）にストレートで押し切られた。

　敗れた大坂は足早にセンターコートを後にしたが、その数時間後に再びセンターコートに戻ってきた。なぜならその日のナイトマッチに大好きなセレナ・ウィリアムズの試合が組まれていたからである。

　グランドスラム（四大大会）通算23勝を誇るセレナは大坂が子どものころから憧れ続けている存在。そんな自身のアイドルが今月になって引退する意向を表明したため、全米オープンとその前哨戦がセレナのプレーが見られる限られた機会となっているのだ。

　お忍びで訪れたスタンドで百戦錬磨のセレナと昨年の全米女王エマ・ラドゥカヌの熱戦を見入る大坂。

　注目の場面は第２セットの第１ゲームで訪れる。ラドゥカヌが放ったサービスをセレナが力強いフォアハンドでリターンエースを決める。その好プレーに見事とばかりに拍手を送った大坂だが、その動きが突然ピタリと止まる。なぜなら会場に設置してある大型モニターに拍手をする自身の姿がくっきりと映し出されていることに気づいたからだ。
  　驚いたような表情を浮かべて動きを止めた大坂は、一度隣人に視線を向けたあと、カメラから隠れるようにズルズルと座席に滑り込むように身体を沈めていき、最後は恥ずかしそうに笑みを浮かべながら両手で顔を覆った。

　試合中継をしていた解説者もこの姿には思わず大笑い。むろんモニターに映し出された大坂の微笑ましい姿を目にした会場の大観衆にも大爆笑。

　試合後、その様子が大会公式ツイッター(@CincyTennis)で公開されると、「私たちも一緒に拍手をしたわ」「この試合で一番好きな場面だよ」「ナオミ、あなた最高ね」といった好意的なコメントが数多く寄せられ、動画は９万回以上再生され2700件を超える「いいね」が寄せられている。

　セレナを応援する大坂なおみ。世界中にいる多くのテニスファンと同じように、大坂も伝説的なプレーヤーがベストを尽くす姿を、最後に一目見ようと思っているようだ。

構成●スマッシュ編集部

【PHOTO】なかなか見られない大坂なおみらトッププロの練習やテニス教室の様子