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ナダルがジョコビッチの全米欠場に言及「史上最高の選手が出られないのは大きな損失だ」<SMASH>

中村光佑

2022.08.27

ナダルが新型コロナのワクチン未接種により全米オープンに出れないジョコビッチについて心境を語った。(C)Getty Images

 男子テニス元世界王者のラファエル・ナダル(スペイン/現3位)が年内最後のグランドスラム「全米オープン」(8月29日~9月12日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)の開幕に先駆けた記者会見に登場。新型コロナウイルスのワクチン未接種により同大会の欠場を余儀なくされた宿命のライバル、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/6位)について言及した。

 アメリカでは現在も新型コロナ感染拡大防止策の一環としてワクチン未接種者の入国を禁止している。ところがジョコビッチは「身体を気遣いたい」という理由で依然ワクチン接種を完了していないため、今年の全米は自動的に欠場となることが決まった。8月25日には自身の公式インスタグラム(@djokernole)で「悲しいことに、今回はニューヨークに行くことができません」と報告している。

 共にコート上でしのぎを削りながら長年にわたってツアーを盛り上げてきたジョコビッチが全米でプレーできないことについて、ナダルは「ずいぶん前から出場できないことはわかっていた」と前置きしつつも、「僕から見れば悲しいことだ。優秀な選手がケガやその他の理由で大会に出られないのは残念だ。今回の場合、史上最高の選手が出られないのは大きな損失だ」と率直に現在の心境を明かした。
 
 今年1月のオーストラリア入国問題でジョコビッチのビザが取り消された際には「1つの大会よりも重要な選手というのは存在しない」と発言していたナダルだったが、その考え自体は今も変わらないと言う。

「このスポーツは一人の選手よりもずっと大きな存在だ。僕自身、多くのトーナメントを逃してきたし、今年は3年ぶりにここ(全米)にやってきた。大会は続くし、世界は回り続けている。僕やノバク、ロジャー(フェデラー)が引退した後も世界は動き続ける。毎年異なるチャンピオンが登場する」

 なお現地25日には今大会のドロー(組み合わせ)が発表され、ナダルはワイルドカード(主催者推薦)で出場する世界198位のリンキー・ヒジカタ(オーストラリア)と1回戦で対戦する。ちなみにナダルが順当に勝ち上がった場合、準決勝で同郷のヤングスター、カルロス・アルカラス(スペイン/19歳/4位)との対決が実現する可能性がある。

文●中村光佑

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