楽しい時、うれしい時、彼女は文字通り飛び跳ねて、無邪気な笑みを顔中に広げる。
全米オープンテニスに先駆けて、カナダ・バンクーバーで開催された「バン・オープン」。今年からWTAチャレンジャー(125シリーズ)に昇格したこの大会で、加藤未唯は幾度も飛び跳ね、そのたびに客席からは大歓声が湧き起った。
「それは、お客さんが理由ですね。あんな盛り上がってくれるのは、カナダやアメリカの北米くらい。特にこの大会は、すごくお客さんが来てくれるので。これは楽しいです」
笑顔の理由を、彼女は端的にそう述べた。
“楽しい”は彼女にとって、好プレーに欠かせぬファクターだ。もとより身体能力に優れ、ジャンピングボレーやスマッシュなど、派手なプレーが得手なタイプ。その“魅せる”プレーに観客が沸き、すると観客の声を追い風として、コート狭しと小柄な身体が躍動する。テニス愛好家が集うバン・オープンは、そんな好循環を彼女にもたらす格好の舞台だ。
初めて組んだパートナーのエイジア・マホメドとの相性も、「楽しい」の重要因子。長身のマホメドがサービスで崩し、前衛で加藤が自由に動く。そのパターンが噛み合い、快勝を重ねた先の決勝戦で、2人はティメア・バボス/アンジェラ・クリコフ組との対戦を迎えた。
バボスは、グランドスラム複4度の優勝を誇る元世界1位で、クリコフは米国大学上がりのダブルス巧者。相手も同大会で初めて組むペアながら、強敵なのは間違いなかった。
元世界1位の実力は、サービスゲームで発揮される。立ち上がり、バボスのサービスでは2ゲームで1ポイントしか奪えなかった。
そこで加藤とマホメドは、素早く意思を交わし、バボス対策を話し合う。
「ファーストサーブをロブで返し、ストレートアタックも使いながら、2人で下がって対応しよう」
その策が奏功し始めたのは、バボスの3回目のサービスゲーム。40-0から4ポイント連取でブレークする、最高の形で第1セットを奪取した。
全米オープンテニスに先駆けて、カナダ・バンクーバーで開催された「バン・オープン」。今年からWTAチャレンジャー(125シリーズ)に昇格したこの大会で、加藤未唯は幾度も飛び跳ね、そのたびに客席からは大歓声が湧き起った。
「それは、お客さんが理由ですね。あんな盛り上がってくれるのは、カナダやアメリカの北米くらい。特にこの大会は、すごくお客さんが来てくれるので。これは楽しいです」
笑顔の理由を、彼女は端的にそう述べた。
“楽しい”は彼女にとって、好プレーに欠かせぬファクターだ。もとより身体能力に優れ、ジャンピングボレーやスマッシュなど、派手なプレーが得手なタイプ。その“魅せる”プレーに観客が沸き、すると観客の声を追い風として、コート狭しと小柄な身体が躍動する。テニス愛好家が集うバン・オープンは、そんな好循環を彼女にもたらす格好の舞台だ。
初めて組んだパートナーのエイジア・マホメドとの相性も、「楽しい」の重要因子。長身のマホメドがサービスで崩し、前衛で加藤が自由に動く。そのパターンが噛み合い、快勝を重ねた先の決勝戦で、2人はティメア・バボス/アンジェラ・クリコフ組との対戦を迎えた。
バボスは、グランドスラム複4度の優勝を誇る元世界1位で、クリコフは米国大学上がりのダブルス巧者。相手も同大会で初めて組むペアながら、強敵なのは間違いなかった。
元世界1位の実力は、サービスゲームで発揮される。立ち上がり、バボスのサービスでは2ゲームで1ポイントしか奪えなかった。
そこで加藤とマホメドは、素早く意思を交わし、バボス対策を話し合う。
「ファーストサーブをロブで返し、ストレートアタックも使いながら、2人で下がって対応しよう」
その策が奏功し始めたのは、バボスの3回目のサービスゲーム。40-0から4ポイント連取でブレークする、最高の形で第1セットを奪取した。